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ことほぎ(火影祭参加作品) [捧げ物]

10810730.gif対オフィシャルサイト様の火影祭に参加させていただいたものです。

上午様 いつもありがとうございます!!

お正月ネタ♪

お楽しみ戴ければ幸甚ですv

火影邸のベランダからご来光を拝むナルトの背後から、ヒナタが遠慮気味に声をかける。

「ナルトくん、あけましておめでとう」

ナルトは微笑みながら首を回して答えた。

「ありがとうってばよ」

その言葉を聞いたヒナタは。頬を染めて弾けたように笑った。

「うふふ、面白いわ。お誕生日みたいね」

つられて笑ったナルトは恥ずかしそうに頭を掻いた。

「あはは、ごめん、ヒナタ。 おめでとう、あけましておめでとう。 今年もよろしくな」

「なんで ありがとうって?」

「なんでだろ? んー、なんか、ありがたかったんだってばよ。こうやって新年を迎えられることが」

ヒナタを傍に引き寄せたナルトは、膨らみつつある妻のお腹をそっと撫でながら、
前にもこんなことあったような気がしてならなかった。


          ことほぎ

ときは遡り数十年まえー


大晦日の夜、暖炉の前で、ミトは生まれ来る子供のための針仕事に精を出していた。
夫 柱間はまた外地へ出ている。
今年中に帰るって言ったのに…。
おそらく、今夜の帰還はないだろう。
ミトは針を置いて、うんと伸びをした。
針仕事は苦手だ。
「今日はこれくらいにしといたろ」
笑いの国から来た喜劇劇団員の台詞を真似して言ってみた。
あれを見たのは先々週だったか。
面白かったわ、ホント、大笑いした。
旦那様と一緒に見たかったな。
一緒に笑いたかった とミトは思った。
あの喜劇団はミトが退屈していないかと柱間が外地で手配したという。
広い寝床に一人で横たわり、ミトは静かに目を閉じた。

妙な夢を見た。

足元に何かが纏わりつく。
霧で視界が悪い。
ここはどこ?

ミトはふいに気が付く。
亡者が彷徨う森なのだと。
早く、ここから出なければ。
夢中で足を動かすも、大きなお腹では速くは走れない。
「助けて! 柱間! ねえ、旦那様! 助けて!」
叫び声さえ、霧に消される。
泣きそうになったとき、大きな手がミトの手を捉えた。
「大丈夫、これは夢。兄者が見ている夢の中」
「え?」
大きく目を見開いた先には、ミトの手を取る扉間がいた。

「雷の国との交渉に手間取っていて、兄者の帰還は明日になる。
義姉さまが心配だからとワシだけ無理に帰らされた」
扉間は早口にそう言って、寝室に入り込んだことを詫びた。
「随分うなされていたから…」
「怖い夢を見たの。動けなくて、逃げたいのに」
ミトの言葉を聞くと、扉間はミトを安心させるように微笑んだ。
「お腹が大きくなると苦しくて嫌な夢を見る。義姉さまだけじゃない」
ミトは小首を傾げた。
扉間はなんでも知っている。
そして、困ったときには飛んできてくれる。
「扉間殿は優しいのね。 お嫁さんになる人はきっとしあわせね」
扉間の眉根が僅かに寄った。
「私ほどのしあわせには適わないでしょうけど」
慌ててそう付け足したミトはうふふと笑った。
「そうじゃ。義姉さまほどのしあわせ者はいない」
扉間の言い方が寂しそうに聞こえたミトは少し困って、またうふふと笑った。


微かに聞こえていた火の寺の除夜の鐘が鳴り止んだ。
今、木の葉隠れの里は新年を迎えたのだ。


「義姉さま、あけましておめでとうございます。今年もよろしく」
「あけましておめでとうございます。 今年もどうぞよろしくお願いします」
ミトは布団の上で三つ指をついて頭を深々と下げた。
扉間はとてもうれしそうに見えた。
誰よりも、柱間よりも早く新年の挨拶をミトと交わしたからに他ならない。
だが、それをミトに悟られてはいけない。
顔いっぱいに広がった笑みをそのままに、扉間は言った。
「義姉さまは大丈夫そうじゃな? では、これにてご免。
ワシはこれから花街へ…」
意味が解らずポカンとしているミトをあとに、扉間は煙とともに消えた。
残されたミトは再び布団に潜り込んだ。
夜明けまで少し眠ろう。
扉間の劣情 ー それは手を取られたときに感じた。
知っているということを誰にも悟られてはいけない。
私は柱間のしあわせな妻だから。


陽が昇る直前に目覚めたミトは愛する夫のチャクラを感じた。
寝床から跳ね起きると、東の部屋へ急いだ。
ガラスの向こうに柱間が見える。
ちょうど、朝日が昇ってきたところだった。
柱間は合掌して、ご来光に里の安泰と民の幸福を祈っているのだ。
ミトもガラス越しに合掌する。
無事に帰還できたことに感謝を。
この里の長とこの里にご加護を。
ガラス戸を開いたミトは晴れやかに言った。
「おかえりなさい、旦那様。 あけましておめでとうございます。
今年もどうぞよろしくお願い申し上げます」
柱間は、首を巡らせて美しい妻を見た。
にっこりとほほ笑んでよく響く美声で高らかに言った。
「ありがとう」
驚くミトに長い腕が回される。
「扉間が来ただろう?」
「ええ。だけど、年が明けるとすぐに帰ったわ。花街に行くとか…」
柱間は、ふふと短く笑った。
「早く娶れば良いのにな」
「ホントにね」
柱間はミトの頬に触れるとそっと抱きしめて接吻した。
「なんか、嬉しいよ」
「それは良かったわ。だけど、普通はありがとうじゃなくておめでとうじゃないの?」
「ああ、そうだ。嬉しくてありがたくてめでたい。正月って良いもんだな」
柱間がそう言って笑うのでミトも一緒に笑った。


忍にとってひとときの安らぎはなにものにも代えがたい。
だから何度でも言う。
ありがとう。
ありがとう。
ありがとう。
ミトの大きなお腹を撫でながら、柱間はそう思った。


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