So-net無料ブログ作成
検索選択

祝福(2013年度イル誕記念SS) [SS]

2013年度 イル誕記念SS

なんでもええからとにかく祝いたいねん…

遅くなりました;
イルカ先生、お誕生日おめでとうございますっ!!
ウチのイルカ先生にお祝いのお言葉をくださったみなさま 
ありがとうございます! 愛してます!



以下、ともだち以上恋人未満な感じのふたりの転機って感じかな。

                     ― 祝福 -

「誕生日、おめでとう」

「おめでとうさん!」

「先生! お誕生日おめでとうーっ!」

「おめでとうございます」

「誕生日だってな? おめでとっ」

一日の終わり、イルカは苦笑する。

いったい何人の人間に「おめでとう」と言われたろう?

その度に、バツの悪いような気になったのは何故だろう?

「…だって、お誕生日よ? みんな、祝福したいのよ。 ありがとうって言えばいいじゃん」

イルカの素朴な問いかけに、彼女は呆れたようにそう答えた。

「イルカさんが生まれて来てくれて、ありがとうってみんな思ってるの。
二十数年間、色んなことがあったろうけど、死なずにいてくれて良かったって。
色んな出会いがあって、それが今のイルカさんを作ってるわけだけど、
他所ではないここに居てくれてありがとうって。
繋がりが持てて嬉しいって。
どうか、これからも健康でいてね しあわせになってねって。
そんな風なこと、全部ひっくるめて、おめでとうって言ってるんだから」

イルカは彼女をみつめて、ひとつ、瞬きをした。

ああ、オレは… とイルカは思う。

それで、オレはバツが悪かったんだ。
そんな風に誰かに誕生日の祝いの言葉を贈ったことがあるだろうか。
誰かの誕生日だと聞くと、殆ど、条件反射のようにおめでとうと言ってはいるけれど。

「そっか。 だったら、嬉しいな」


いつもの癖なのか鼻疵をぽりっと掻いたイルカは、恥ずかしそうにぽつんとそう言った。

その様子を見た彼女は少し頬を赤らめて、とってつけたように唇を尖らせる。

「大体さ~、私なんて、嫌いな人間の誕生日に興味ないし、知ったとしてもおめでとうって言わないよ、たぶん」

五月の若草の薫りの風が、ふたりの間を吹き抜ける。

少しの沈黙。

彼女の白い指が風で乱れた髪を耳にかけた。
何かを決心したように。

「で…、私も言うの。
イルカさん、お誕生日おめでとう」

プレゼントを手渡して、彼女は胸を張って微笑む。

「私が最後だからね。 今年の誕生日に、最後にお祝いを言ったのは」

イルカは先を促すように、片方の眉を上げてみせた。

「来年は、私、きっと、一番最初におめでとうって言うわ。
一番近くでイルカさんを祝福するわ」

「おう! サンキュ」

心の中で、イルカはもう一度、「おう!」と言う。

やっぱり、この娘が好きだ
この娘はオレに足りないもの、全部持ってる
オレはこの娘にすべてを捧げよう
この娘の誕生日には、誰よりも早く誰よりも激しく、その生誕を祝福しよう

「じゃ、手始めにこのあと、オレんちで祝ってくれるっていうの、どう?」

イルカは彼女の想いを確信しながらも、どきどきしながら、そう問いかけた。


コメント(0) 
共通テーマ:アニメ

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。

×

この広告は1年以上新しい記事の更新がないブログに表示されております。