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dearest [SS]

枕草子からの妄想駄文。

何が恋しいって、夏の日の長さや陽気さ・・・
秋が心身に沁みる今日この頃です。
イルカ先生によしよしされたいっ!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

                     ― dearest ―

 

頭上に拡がっている空は真っ青なのに、傾いた陽の方角は白んでいる。
もうすぐ始まる。
もうすぐ陽が沈んでしまって、夕暮れが始まる。
今日が終わってしまう。
腰掛けた火影岩の上、イルカさんに後ろから抱きすくめられていても、
私は少し泣きたくなる。

乾いた風が吹き付けて、小さな咳をひとつすれば、
冷えた喉に温かい手が宛がわれる。
じんわりと喉の奥から楽になる。
「咳、どう?」
「うん、よくなった。ありがと」
首を巡らせると、こめかみにキスをひとつ。

 

やがて、山の向こうに陽が落ちかける。
「見て。ずんずん沈んでいく」
違うよ、太陽が沈んでるんじゃなくて、地球が回ってるんだよ と諭されそうだと思ったけど、
イルカさんは、そうだねと言った。
「本当にずんずん沈んでいくなあ」
「あ~あ、もう、見えなくなった」
「早いね」
「今日が終わっちゃった」
背後にいるイルカさんの交差した腕が、私の両肩でぎゅっと力が入る。
「また明日、会えるじゃないか」
だけどと私は口篭る。
なんだとイルカさんが先を促す
「今日みたいに、こんな風に24時間以上も一緒に居れるのは滅多にないもの」
「…そうだね」

夕焼けが始まる。
風向きが変わる。
陽が当たらなくなった分、気温が一気に下がってゆく。
イルカさんが、大きなくしゃみをひとつした。
私は振り返って、鼻疵が走る鼻梁を3回つまむ。
「なに?」
風邪をひかないおまじない」
「そっか、ありがとな」
うふふと笑って抱きしめ合う。

「こんなに急に寒くなるなんて、夏が恋しくなっちゃうわ」
「夏中、暑い暑いって文句言ってたのに?」
「…愚かね。 無いもの強請りするなんて」
ほうーっと長い溜息を吐く。
イルカさんの手が頬を撫でる。
「この夏、楽しかったもんなあ」
「はーい、おかげさまでね」
「秋も冬も楽しくしような?」
「はい」
「冷えてきた。そろそろ帰ろうか?湯豆腐でもどうだ?」
「そうね、私んちで良い?」
「いいよ」
立ち上がって手を繋ぐ。
夕刻なのに、辺りはもう夜のように暗い。
「春のあけぼのも夏の夜も秋の夕暮れも一緒に見たね。
次は冬はつとめて…か」
イルカさんがにっこり笑う気配を感じた。

春も夏も秋も冬も、イルカさんはやさしい
私の最愛のひと。


「あ、え…と、泊まって、いいのかな?」
外灯で見上げたイルカさんの顔が赤くなっていた。
「…うん、そうしてちょうだい」
私も赤くなりながら答える。

答えながら夏のことを思い出す。
カラダが夏を恋しがる。

 

 

 

 

 



 

 


コメント(1) 

コメント 1

ねね



ケイさん こんにちは♪
ご来訪とコメントをありがとうございますv
レスが遅くなり、申し訳ございません!

今宵も夜這いをありがとう♪
お楽しみ頂けたようで嬉しいですvv
そうそう、赤くなりやがるのですよ。
誘うときは人一倍恥じらいやがるのですよ(笑)
あとは突っ走るだけなのにね!

オアシスといってくださるなんて、この上ないお褒めのお言葉♪
めっちゃめちゃ嬉しいです!!
只今アニナルは銀魂で呼ぶところの迂回路に入っているので、
イルカ先生の登場を今か今かと待ち焦がれているのですが…;
仕方がないので前の迂回路の過去編を観ています(笑)

季節はずれの暖かさに調子が狂いますね。
ご無理なさいませんよう、お元気でお過ごしくださいねvv



by ねね (2011-11-06 15:35) 

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