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朧月 [SS]

本日の妄想:ラーメン派イルカ先生は、初秋はうどん派

最近、蔵でimmoralばっかり書いてたから、こちらではえろ要素ゼロ。
人間の脳は微妙にバランスをとりますなあ(笑)

 

さて・・・・・ 
なに、この暑さ;;
先週の涼しさがウソのようです。
今頃になって、首やら肘の内側やらにアセモが出来て困るんですが、私だけ?
ホント、体調を崩しやすいときです。
みなさま、どうぞご自愛くださいませ!
私?
私はローヤルゼリーで乗り切れそうですよ♪

 

 

 

 

 

                 ― 朧月 ―

 

「今日も暑かったな。 お疲れさん」
「ホント、暑かったですね。 子供達の水筒、午前中に空になっちゃいます」
「だよなあ」

人目を避ける っていうんじゃないけど、アカデミーの裏口で待ち合わせ。
夕日を浴びながら、鼻疵に玉の汗を浮かばせたイルカ先生と並んで歩く。
毎日ではないけれど、週の半分くらいは一緒に歩いてどこかのお店に入る。
行先は一楽が多いけど、居酒屋とかイタリアンとか、
その日の気分に合わせて一緒に食事する。
それは私にとって至福のひとときで、先輩教師にレクチャーを受ける絶好のチャンスだ。

「腕の動きがね、とってもぎこちないんです」
「それは、仕方ないさ。 男児と女児は骨の作りが違うからな。 男児は肘がくっつかない」
ほら と イルカ先生が両腕を前に出す。
「あら、ほんと」
昭和のおかあさんみたいな返事をしてしまった自分が恥ずかしくて、うふふと笑いで誤魔化した。

「あ、そうだ、今夜は…」
と、呟くイルカ先生に、私はいつもの癖で首を左側に傾げて続きの言葉を待つ。
「うどんにしようか?」
「おうどん? ラーメンじゃなくて?」
「夏の疲れ、出る頃だしな。 カラダにやさしいもん喰わねえと」

行先はあっちだ とばかりに曲がり角で私の肘をやさしく取る。

「夏って、アイス喰ったり、スタミナ付けなきゃって肉とかうなぎとか脂っこいもん喰うだろ?
この季節、ちょっとカラダを労わってやんないとな。 胃も身のうちだ」
「そうなんですね」
「うん、そうだよ」

イルカ先生が私を見下ろしてにっこり笑う。
私は尊敬の思いを込めてイルカ先生を見上げる。
どんなときもイルカ先生の説明はわかりやすい。

 

 

柳の枝が風で揺れている。
すぐ傍を通り抜けて小さな門を潜り、苔むした飛び石を踏む。
ぼんやり燈る提灯に風情がある。
一見さんお断りの老舗みたい。
私は少し緊張して、イルカ先生の揺れる髪の後を追う。

「こんばんは」
「あら、イルカちゃん。 いらっしゃい」

暖簾を潜ると、小柄な老婦人がイルカ先生を見上げて微笑んでいる。
きっとこの店の女将さんなんだろう。
「こんばんは」
挨拶する私に女将さんは愛想良くいらっしゃいと言った。
「まあまあ、今日は可愛い人を連れて来て! イルカちゃんたら!」
女将さんはイルカさんをバンバン叩きながら嬉しそうにケラケラ笑う。
「二人で来てくれるなんて、おばちゃん、嬉しいわァ」
個室に案内しながら、女将さんはイルカ先生のことを、ホントに立派になって とか
昔はご両親とよく来ていたのに今日は1年ぶりだとか 懐かしそうに目を細めた。
「ご注文はいつものとおりでいいの?」
と訊かれ、イルカ先生がお願いしますと言うと、女将さんはOKのジェスチャーをした。
厨房に向かいながらなのか、お父さん イルカちゃんが彼女を連れてきたわよ 
なんて言ってる声が聞こえる。

「…よかった」
「なにが?」
イルカ先生がお絞りで手を拭きながら眉を上げる。
「だってすごい敷居が高いお店なのかと。女将さんが気さくなひとでよかった。良いお店ですね」
「だろ? 子供の頃は本当によく来たなあ。 入り口の柳の木はもっとデカイと思ってたけど、
オレがデカくなったんだろな」
あはは とイルカさんが笑う。
私は 腕白小僧うみのイルカ を想像しながら一緒に笑った。
それにしても 何を注文したんだろう?

暫くすると、良い香りが漂ってきた。
「ハイ、季節のうどん定食朧月」
女将さんは「ごゆっくり」 と にっこり笑った。

お盆の上には松茸御飯とおうどんと香の物。
ん?
このおうどん、月見?


私の様子にイルカ先生がくすっと笑う。
「変わってるだろ? 月見だけど、生卵じゃないんだ」
「お出汁で煮てあるの?」
「そう、半熟より少し固めに。 オレ、ガキの頃、生卵の白身のぬるっとした感じが苦手だったんだ。
黄身で出汁が濁るのも嫌だった。 そしたら女将さんがこうやって出してくれたんだ」
ふーんと私は感心した。
手打ちのおうどんはつるつるしこしこで凄く美味しい。
お出汁はやわらかく胃にやさしい。
卵は潰しても、うどんに絡めるとそれほどお出汁が濁らない。
「うふふ、食べやすいです。 このおうどん」
「へへ、そうだろ?」

完食してお店をあとにすると、外は闇に包まれていた。
秋の夜は早い。
見上げた空には朧月。
二人で見上げて、少しだけ冷たくなった空気を胸いっぱいに吸い込んだ。

「なんだかね、知られざるイルカ先生を知った気がして嬉しいです」
「なんだよ?それ?知られざるって…」
「このお店、また来たいです」
「そ、だな。 また来よう」
「あ、イルカ先生がお家で作ってくれてもいいですよ?」
「コラ!調子に乗ってるな?」


 

拳骨を落すみたいに振り上げられた手は私の頬にやさしく触れた。
その手を取ってちゅっと唇を寄せる。
照れて繋いだイルカ先生の手は、おうどんみたいに温かかった。

 

 

 



 





 


コメント(1) 
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コメント 1

ねね



ケイさん こんにちは♪
ご来訪とコメントをありがとうございますv

うっひょ~♪ ケイさんちもそうなんだ~♪
なんかうれしい~~♪♪
うんうんv 私、にゅうめんも大好きよ!
ウチはよく真冬の朝ごはんに出すなあv
やさしいよね~おうどんもにゅうめんも♪ だーい好き!
かつてリスペクトサイトマスター様が「食と癒し」と題して
イルカ先生と食べ物絡みのお話を書かれていて、それも大好きでしたv
カカシはあまり食べ物と繋がらないのよねえ。
拙ブログのヒロインはしょっちゅうイルカ先生とモノを食ってますなあ(笑)
好きな人と好きなものを素敵な場所でおいしいねって言いながら食べるのって
普通に見えて一番しあわせなことだと思うのです。
だって、全ての条件が揃わないと出来ないことだもの。
もし二人の縁者のうちの誰かが病気だったり心配事があったりしたら
その楽しみは半減してしまうから。

お返事、ありがとうございます!
もうねえ!呆れてモノも言えませんよ!いや、言うけどね!(苦笑)
ケイさんのお体の方はいかがですか?
無理はいけませんよ!
文字通り、どうかご自愛くださいませよ!!
早く快癒されますよう心よりお祈り致しておりますvv


by ねね (2011-09-22 13:54) 

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