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a little bit [SS]

本日の妄想:自分にご褒美vな彼女を応援するイルカ先生♪
働く貴女に読んで欲しいですわv
そこはかとなく大人向きですので、子供は続きを読まないように!


アイスクリームのCM、スキです♪
ちょびっとだけ贅沢な、自分自身へのご褒美スイーツは、私もよくやります(笑)

 

 

 

 

 

 

 

 

                      ― a little bit ―

 

この蒸し暑い季節のど真ん中、取引先の男共にナメられないよう精一杯頑張って、結果を出した。
部長は「祝杯を…」なんて言うけれど、だったら、次の考課で評価して欲しい。
同僚も「美味しいフレンチのお店が出来たの。お祝いがてら食べに行こうよ」と誘ってくれたけど、
「ごめん、来週、きっとね。今日はヘトヘトだから、帰って寝るわ」 と断った。


気持ちは嬉しいよ。
ホントにね。
皆、蔭で応援してくれてたと思うもん。
だけど、今夜はひとりで居たいの。
だって、まだまだ、これからが肝心。
次があるから、また来週から頑張んなきゃいけないから、
今日はおうちで自分自身を労わってあげないと…。


お風呂上りにお気に入りのふわっふわの部屋着のままで―
TVを消して、パパから譲り受けた自慢の古いジャズのレコードをかけて―
いつものよりほんのちょびっとだけ贅沢なアイスクリームを冷凍室から出して―
イルカさんがホワイトデイにくれたアイス用の銀のスプーンをアイリッシュリネンで磨きながら―
アロマオイルに火を灯して―
それでもまだならペディキュアを塗りなおして―
カチンコチンのアイスに程よくスプーンが入るようになるまで、待つ。

なんでかな?
イルカさんとお付き合いするまでは、待つのが苦手だった。
歯医者さんとかだったら仕方ないけど、他のことでほんのちょっと待つのも苦痛だった。
アイスが溶けるのを待つなんてあり得なかった。
待つのも楽しみの一部だと気づかせてくれたのは、イルカさんなのかもしれない。


2曲目が終わった頃、アイスの表面のちっちゃな氷の粒が無くなり、カップが汗を掻き出した。
長い3曲目が終わった頃には、お店屋さんみたいな硬さになった。
銀のスプーンがほんの少し力を加えるだけで滑らかに入ってゆく。
スプーンで掬って、口に含んで、味わえるのはマルチパックの物とは全然違う。
このクリーミィな口解けは高級アイスならではのもの。
「んんーっ」
ゆっくりと舌で転がしながら、ソファに背中を預けて天窓を仰ぎ見た。
今夜は満月。
イルカさん、どうしているだろう?
もう、何日逢っていない?
1週間?10日?12日?
ダメ、考えない。
今はアイスに集中集中。
嚥下して、もう一口分、スプーンで掬う。

うん そうよ、本当にね、今週の私 よく働いた。
この1週間、私が上げた功績は自画自賛しても良いほどだ。
でも、ああ。
一番、褒めて欲しい人に逢えていない。

 

半分食べ終わった頃に、思い切って『式』とやらを『飛ばして』みる。
ダメモト、駄目元 と自分に言い聞かせながら。

ご馳走様をして、レコードをひっくり返した頃、呼び鈴が鳴った。
覗き窓から見えた顔は、口を横一文字に閉じた酷く真面目な顔のイルカさんだった。
途端に呼び出したことを後悔した。
忙しかったのに無理して来たんじゃない?
ねえ、私、無理させた?
ああ、ドアを開けたらなんて言ったらいいんだろ?
おどおどしているともう一度呼び鈴が鳴った。

チェーンを外すのを待ちかねたようにイルカさんが飛び込んできた。
余程急いだのか、結わえた髪が乱れている。
鼻疵の辺りにはうっすらと玉の汗まで浮かばせて。
「どうした?なんかあったか?大丈夫?」
強い言葉で矢継ぎ早に質問する。
私はぶんぶん首を横に振る。
「違う。あの、違うの」
部屋中を厳しい眼で見回すイルカさんにたじろいてしまう。
「吃驚させてごめん。あのね、あの、私、逢いたかっただけで…」
イルカさんは大きく安堵の溜息を漏らした。
「そっか、よかった。お前から式が来るなんて珍しいから、オレ、てっきり…」
イルカさんは少し考えてにっこり笑う。
乱れた髪を一度下ろして、結い直しながら明るい声で話す。
「ピンチかと。かなり焦ったよ」
「式ってそういう使い方するものなの?」
「いや、いいよ。 どうしても逢いたいときには飛ばしてくれりゃあいい」
「ホント?」
「ああ。 さあ、おいで」

イルカさんが両手を広げて私を包み込む。
ほんの少し花火みたいなに匂いがする。
「花火、してたの?」
「ハハハ、違うよ。 明日の授業で使う火薬を用意してたんだ」
「そうなの? ごめんね、仕事の邪魔しちゃったわね」
「大丈夫」
イルカさんはそう言いながら頷いて、俯く私に顔を見せてと囁く。
「久しぶりだな。仕事、忙しいって言ってたから、連絡すんの我慢してたんだ」
「そんな…。遠慮しないでよ」
「そ、だな。これからはお前が忙しいときほど来るようにするよ。 んで、ここに来てお前が喜ぶようなことしようかな? 逢えなくても、晩飯作っておいてやったり、とか」
ふふ と笑う私の頬にイルカさんの頬が触れる。
「お前のこと、誰よりも一番に応援してやりたい。お前が頑張ってんの、オレ、よく知ってるから」
見上げると視線が合い、次の瞬間、唇が触れ合った。
アイスで冷えた舌をイルカさんの熱い舌が捕らえる。
「んんーっ?! これ、プレミアムアイスじゃねえか! 1個で特価のマルチパック2個と同じ値段の?」
「うふふ、バレた? 実は今週ね…」

私はもうひとつ、冷凍庫からアイスを取り出しながら今週あったことを話す。
なんでこのアイスを食べることになったかをイルカさんが相槌を打つのを聞きながら、喋りまくる。
そうか すごいな よくやったな とイルカさんが褒めてくれるので、私は益々気分が良くなる。
一通り話し終えた頃、アイスがイイ感じになった。
「イルカさんにも、ご褒美あげるね? 私を応援してくれるから」
嬉しそうににっこり笑うイルカさんの口に銀のスプーンで掬ったアイスを滑り込ませる。
「うん、旨い。 やっぱ違うな」
「ね? 美味しいね?」

二口目以降のアイスは私の口の中で溶けた。

「オレ、こっちのご褒美の方がイイな」
私の上で汗を掻くイルカさんがそう言った。

レコードはもう終わっていた。
なぞるべき溝を失った針が、ぶちぶちと定期的にスピーカーを震わせている。
それで気づいた。
イルカさんのはじめの頃のストロークはLPの回転と一緒なんだってこと。
だから、逢えないときにはレコードをかけたくなるのかな。

針を上げに行かなきゃと思いながら、私はイルカさんの33回転に夢中になる。
このご褒美に夢中になる。
甘く濃厚なアイスクリームみたいに、溶かされる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 


 


コメント(3) 
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コメント 3

ねね



ケイさん こんにちは♪
ご来訪とコメントをありがとうございますv

33回転 一体何のことだとお若い方は思うんでしょう(笑)
シングルとLPじゃ回転が違うから、間違うと笑えたよね?
ああ、昭和ってヨカッタよね~ww

行間に想いを馳せてくださるケイさんに感謝です!
ケイさんのように読んでくださると本当に嬉しいvv感激ですvvv
自分にご褒美は大切だな~と思う今日この頃。
そうやってまた明日への活力が湧くと思えばねっ♪
いつもより疲れた日には、パートナーがいつもよりちょびっとだけ優しくしてくれたなら、こっちはもーっと優しくいられる。 可愛くいられる。
そういうのが大切なんだと思います(←誰に言ってるんだか;苦笑)

本当にいつもありがとうございます!
ケイさんから頂くお言葉は私の妄想の肥やしですv
また暑さが厳しくなるようですね。
体調を崩されませんよう、お元気でお過ごしくださいねvv



by ねね (2011-07-23 14:52) 

ねね



ナナさん こんにちは♪
ご来訪とコメントをありがとうございますv

あははvイルカ先生は汗っかきですからね。
ゆっくり動いていても汗かくの(爆笑)
逢いたくて逢いたくて…って恋人同士の熱望ですよねv
楽しんでいただけたようで嬉しいですvv

タマムシはね~、最初、葉っぱが落ちてきたのかと思ったんですよ。
まさか、駅前の交差点渡ってすぐの公園の入り口の木から落ちてくるとはね~。
わあ…、混血が進んでいるんですか…知らんかった。
タンポポは、似て非なるものが多くなったなと思っていたんですが、虫までヤラレてしまうとは!無念!!
●ルサン…お子さん、ショックだったでしょうね;
ウチも危ないところでした(汗)

今週は暑くなると週間天気予報で言っていたのに、曇りマークが並んでいます。
なんだか夏休みらしくない、秋みたいな気候です。
今日は湿度が上がり、だるくっていやんですわ;
ナナさんも、お体を大切にv
お互い気をつけましょうね!!



by ねね (2011-07-25 13:18) 

ねね



金鳳花さん こんにちは♪
ご来訪とコメントをありがとうございますv
レスが大変遅くなり申し訳ございません!!

イルカ先生、じっと我慢の良い子だったんですよ。
うふふv部屋の明かりはね~、あのCMそのままです。
天井据付の電灯は消してるの。
で、ドアの近くや手元のライトだけだからほんのり明るい…って設定v
うう~ん、そういうとこ、書ききれてない自分が哀しい…。
まだまだ修行が足りませぬ;;

先週の雨のあと一気に涼しくなりましたが、また暑くなるそうですね;
この数年、残暑が厳しいように思います。
金鳳花さんもお体にお気をつけてv
オンにオフに更なるご活躍を!!





by ねね (2011-08-22 11:30) 

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