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七夕 [素敵な頂き物]

閉鎖された緋桜さんから頂いていた七夕夢です。
やさしさいっぱいでしっかり者のイルカ先生をご堪能くださいv

緋桜さん、ありがとうございました!
イルカ先生に名前を呼ばれてシアワセです~♪






七夕  ~Iruka version~











「イルカ先生、今夜は約束があるんじゃないですか?」
「あ、ああ、いやぁ、実はね~・・」
「それなら急がないと。私はもう少しやる事があるので・・・」
「そうですか?・・・じゃあ、お先に。また明日」
「はい、お疲れ様でした。色々とありがとうございました」


思ったより打ち合わせが長引いてしまった。
今日は七夕。
約束は午後7時。


7月7日7時なんて、洒落た事をしてみたってのに・・・!


イルカは足にチャクラを込めて里を駆けた。



いた!

彼女は待ち合わせの場所にちゃんといた。
時計を見ると6時57分。
タイムリミットまであと3分。

ねねがイルカに気付き、手を振った。

イルカが駆け寄る。


「やあ、お待たせ!」
「こんばんは」
「遅くなってごめんね」
「いえ、時間ぴったりですよ。私も少し前に来た所です。・・・でも、早めに来て良かった」
「どうして?」
「だって・・イルカさんが私のために走って来る所を見られたんだもの」

ふふ、と嬉しそうに笑う ねねを見て、イルカはここが人通りの多い場所だと言う事も忘れ、
その愛しい体を抱きしめたい心境に陥っていた。

イルカの腕にそっと自分のそれを絡ませ、行きましょう?と問いかける ねねの笑顔が、
更にイルカの我慢を突き崩そうと目に飛び込む。
しかし、今日は随分前から計画を練っていた大切な日。
ここでそれを壊す訳には行かない、と、イルカは拳を握って耐えた。


「いつもの一楽ラーメンですか?」
「いやぁ、たまには俺にもかっこつけさせてよ」
「じゃあ、どこに?」
「着いてからのお楽しみ」
「わぁ、期待しちゃいますよ」
「任せて」

こうして腕を組んで歩く様になるまで、しばらくかかった。
イルカも相当な照れ屋だと思うけれど、 ねねは更に輪をかけて恥ずかしがり屋。
自分にはもう少し積極的な女性の方が合っていると思わなくも無いけれど、
ねねの、はにかんで俯く所がかわいくてたまらない。

そんな ねねも、最近はデートの時は手を繋いだり、腕を組んで歩く事を好んだ。
もちろんイルカは大歓迎だ。
手を繋ぐ時はイルカから。
腕を組む時は ねねから。
いつからか自然とその形が出来上がっていた。


着いた所は、古い木造の家を改築したレストラン
落ち着いた雰囲気と、懐かしい趣のある店だった。

「わ、なんかすごく感じのいいお店ですね」
「だろ?ご夫婦でやってるお店でね、食事もおいしいんだよ」


イルカが入り口のドアを開けると、年配の優しい笑顔の女性が出迎えた。

「いらっしゃいませ」
「予約していたうみのです」
「はい、お待ちしておりました。どうぞお二階へ・・・」

足を乗せる度、ぎ、ぎ、と音を立てる階段。

「すみません、何せ古い建物ですので・・・。
 でも、きちんと手入れしていますから、抜け落ちたりはしませんので安心して下さい」
「ああ、いえ、そんな心配はしていませんよ」

はははとイルカが笑う。

「この音も素敵です。私、とっても気に入ってしまいました、ここ」
「そう言っていただけると、私共も大変嬉しいです。ありがとうございます」


案内された部屋は個室になっていて、部屋の灯りはテーブルのろうそくの光だけ。

「暗くないですか?もし何でしたら電気もつきますし、
 部屋の四隅の大きいろうそくをつける事も出来ますが・・・」
「いえ、そのままでお願いします」
「はい、私もこの方がいいです」

にっこりと微笑んだ女主人は、
「そうですか。ではすぐにお食事をご用意いたしますので、
 どうかそれまでおくつろぎ下さい」と言って、階下に降りて行った。


「気に入ってくれたみたいだね」
「ええ、本当に。こんなお店が木の葉にあったなんて・・・」
「ねぇ、 ねね、上見て」
「上?」

そう言われて天井を見上げる。

「わぁ!」

天井には、大きな大きな天窓があり、天の川がそれは美しく流れていた。

しばらく言葉も無く上を見ていた ねねが、視線をイルカに戻し、
「イルカさん・・・私、何て言っていいか・・・。本当に感激しちゃって・・・」
と、半分涙声で言う。

これほどまでに喜んでもらえるとは思っていなかった。
不器用な自分に出来る、精一杯の演出。

ホテルの最上階の展望レストランや、夜景の美しいスウィートルームなどは選べなかった。
たまたま知人の紹介で見つけたこの店を、きっと ねねも気に入ってくれるだろうと、
半年も前から予約を入れていた。

七夕の夜に、天の川の下でふたりで過ごしたい・・・。
ささやかなイルカの望み。
そして、それが叶ったと、 ねねの顔が物語る。


アペリティフが運ばれてきた。
キールロワイヤルの小さな泡が、グラスの中で静かに踊る。

主人自慢の料理は絶品で、どれも感嘆の声を上げさせられた。

食後のコーヒーを飲みながら、
「今夜は楽しんでもらえた?」とイルカが尋ねると、
ねねは瞳を輝かせて、
「ええ、とっても。イルカさんありがとう」と愛らしい笑顔を見せた。

「良かった・・。ついでにこれも喜んでもらえると嬉しいんだけど・・・」

そう言って、ベルベットの小さなケースをテーブルの向こうの ねねに差し出す。

「え・・!イルカさん、これって・・・」
「開けてみて」

震える指で蓋を開ける。
そこには小さいけれど、目映い光を放つ宝石がついた指輪

イルカが席を立って、ケースの指輪を取り、 ねねの左手の薬指にはめる。
「サイズ、ぴったりで良かった・・・」
「イルカさん・・・、あの、これ・・・」
結婚してほしい。 ねねのこれからを俺にくれないか」

みるみる内に涙があふれる。

「イルカさん、嬉しい。・・・私も、あなたと歩きたい」

イルカが震える肩を抱き寄せた。

「良かった・・・。ありがとう」

イルカの指が ねねの頬を伝う暖かな涙を拭う。

天窓からのぞく織姫と彦星の下で、ふたりは誓いのキスをした。



 

 


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