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ひっつき虫(火影祭り2009参加作品② 三代目) [捧げ物]

火影祭り2009参加作品のふたつめで、三代目ギャグです。

対様、素晴らしきお祭りをありがとうございました!!

 

今年の火影祭りを最後に敬愛するオカラ様がご卒業されました(号泣っ!)
愛と笑いと感動をありがとうございました。
オカラ様が描かれた「危険物」はもう見ることが出来ません;;
三代目&コハルの餌食になるカカシやゲンマにどんだけ笑わせてもらったか…。
足元のも及びませんが、今までの感謝と尊敬を込めたオマージュ作品です。

 

 

 

              ― ひっつき虫 ―

 

 

 

晩秋の良く晴れた日の昼下がり。
パイプを燻らせながら川沿いを歩くヒルゼンの前を、小さな陰が躍り出る。
「じじい、勝負だ!」
孫の木ノ葉丸は、回らぬ舌でそう叫んだ。
キッとヒルゼンを見据えると、小さな指でポケットの中から
ひっつき虫をひとつづつ摘んで投げつけるものの、
こちらへ届く前に、地面に落ちてしまう。
撒菱か何かのつもりなのだろう。
「まだまだ修行が足らんようじゃな」
「くやしーい! また来るぞ! 覚悟しろ!」
鼻の穴をまんまるに広げての精一杯の捨て台詞に、ヒルゼンの喉が鳴る。
懸命に駆けて行く後姿が可愛らしいやら可笑しいやらで、
ヒルゼンは残されたひっつき虫を拾い、くつくつ笑いながら懐に仕舞いこんだ。

 

紅葉を愛でつつ散歩を続けるヒルゼンは、
賑やかな声に誘われるまま、演習場へと向かった。
そこでは年少のくノ一クラスの授業が行われていた。
「あっ! 学園長先生だ!」
目聡い少女がヒルゼンに手を振る。
すかさずスズメ先生が厳しい口調で指摘した。
「山中さん、違います! それ、忍者漫画でも作品、違ってますから!」
「え~っ? いいじゃん、別にィ~」
「駄目です! 皆さん、こちらにおみえになるのはどなたかわかりますね?」
「はーい、火影様でーす」
「そうです。火影様です。学園長先生ではありません。傍にヘムヘムがいませんからね」
そういう問題じゃないよねと一部の賢い子供たちがヒソヒソ話す。
「元気の良い子じゃな。その金髪と瞳は…確かイノシカチョウの…」
「はい、山中いのです」
少女は胸を張って誇らし気に名前を名乗った。
山中イノイチの愛娘。
この里に、火の意思を持つ子供が育ちつつあることを、ヒルゼンは嬉しく思う。
「いの、これをあげよう」
ヒルゼンは懐から先ほどのひっつき虫を取り出した。
「うわあ、ひっつき虫だ。火影様ありがとう」
いのはヒルゼンにぴったりと抱きついた。
「これ! 山中さん、お止めなさい。 あなたがひっつき虫になってるじゃあありませんか」
たしなめるスズメ先生の言葉にヒルゼンの瞳が光った。
これは使える!

 

 


秋の日は釣瓶落とし
あれよあれよという間に里は闇に包まれる。
ヒルゼンは身を潜めて待っていた。
その男が里に戻るのを。


片目を隠した銀髪の男が大門をくぐって戻って来た。
ヒルゼンの鼓動が早まる。
全裸に纏ったひっつき虫の鈎針のような棘が痛む。
その痛みすらヒルゼンには悦びだった。
カカシが目の前を通り過ぎようとしたその瞬間、
ヒルゼンは一切の気配を絶ったままその猫背に飛びつき、離れなかった。
「祝!御生還!! 我が親愛なる写輪眼のカカシよ!」
銀髪の襟足にの寄った目尻を摺り寄せ、胸いっぱいにカカシの匂いを吸い込む。
「ほっ、火影様!いつの間に?!」
この俺の後ろを取るとは、流石はプロフェッサーと呼ばれる火影様だけある 
と カカシは感心した。が、すぐに後悔した。
「火影じゃないもーん。ワシ、ただのひっつき虫じゃ!」
「なにを仰ってるんですか? バカなことはやめてください。風邪ひきますよ。離れてください!」
「ひっつき虫は離れんのじゃあー」
「ああ…もう…」
Aランク任務よりも厄介だと、カカシは諦念の溜息を吐いた。

 

そんなふたりの一部始終を、物陰から熱くみつめるベテランくノ一が居た。
― うたたねコハル ― 老いて尚、乙女心を萌やす里のご意見番。
頬を染める彼女もまた、閃いたのだった。
これは使える!
相手は勿論 先日ロックオンしたばかりの千本を銜えた里一番の色男だ。

 

この不条理なふたりとひとりを、聡明な古老が火影の水晶を通して視ていた。
― 水戸門ホムラ ― 扉間班時代からの仲間であり、本物の里の重鎮。 
今のヒルゼンとコハルを扉間先生が見たら、なんと言うだろう
心では思ってはみても、決して口には出さないホムラだった。
カカシとゲンマと扉間の不憫さに、そっと手を合わす。
そして、小さく呟いた。
「先生、木の葉は今日も平和です…」

 

 

 

 

 

 

 


 


コメント(2) 
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コメント 2

ねね



ケイさん こんばんは♪
ご来訪とコメントをありがとうございますv

ハイ、なんとかやってます(笑)
昨日はアップ直後に偏頭痛の発作が起こってしまいましたが、それほど酷くなくて幸いでした。
冬なのにホット! 嬉しいお褒めのお言葉をありがとうございます!

そうなのですよ;;ご引退と同時に自作品はすべて撤収されてしまい、その潔いオトコマエっぷりに頭が下がりました。
オカラさんの作品内ではカカシは誰よりもマトモな常識人で、老人達はお茶目でお転婆で、特上素敵忍を困らせてばかり。大好きでしたよ~!

先ほど、ケイさんちにお邪魔してきましたvv
素敵ネジにめろめろです~♪
こちらこそいつもありがとうございます!
寒さが厳しくなりますが、どうぞご自愛くださいませ~vv



by ねね (2009-12-15 20:23) 

ねね




緋桜さんv コメントをありがとうございます♪

三代目はもちろんタダモノではないですよ~!
そ、そうか、そうですよね、緋桜さんはゲンマが心配でたまりませんよね;
でも鬼畜な私は翻弄されるゲンマが好物でした(笑)
笑ってくださって光栄です。
ありがとうございますvv



by ねね (2009-12-23 12:52) 

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