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阿吽(火影祭り2009参加作品① 初代&二代目) [捧げ物]

オフィシャルサイト様主催 火影祭り2009に参加させていただいた作品です。
対様、ありがとうございました!

大人向け&BLの危険物につき、子供は先を読んではいけません。
補足:オフィシャルで「側近」の桃華姐さんは、初代夫人ですv

 

 

 

 

ひとりは柱となり 郷土を治めることができるよう

ひとりは扉となり その力と智恵を広めることができるよう


黒と白

静と動


阿吽の呼吸で


互いが補い合って 生きてゆくよう

 


人質となった御母堂は 最期まで 千手兄弟を想ったという

 

 

 

    
          ― 阿 吽 ―

 

 

秋の虫の音がやさしく響く寝所で、
柱間は二人の幼子を寝かしつける。
肩肘をつき、大きな肢体を横たえると
長い脚が、小さな子供布団からはみ出るのが可笑しいと子等が笑う。

「昔、むか~し、或るところにお爺さんとお婆さんがいました…」

最強の里長らしからぬ穏やかな表情で、定番の昔話を話して聞かせる。
物の数分で、下の子が指を吸いながらまどろみ始めた。

姫が月へ帰る場面に差し掛かったとき、柱間は襖の向こうの気配を察した。
「どうした?」
小さく乾いた音を立てて襖が開くと、愛妻桃華の凛とした声が響く。

「あなた、扉間殿が…」
「…そうか」
「離れにお通ししました。すぐに食事と床の用意をさせます」
「うん、いつも気が利くな」

上の子が大きな目をくるりと回す。
「父さま、お話の続きは?」
「ごめん、父さまはおじちゃんと大事なお話があるんだ。
続きは母さまにお願いしよう」
「やだあ!母さまのお話は魔女が出てきて怖いんだもの」
あははと朗らかに笑いながら柱間は我が子の額にキスをした。
「おやすみ、よく眠るんだよ」

部屋を出る瞬間、柱間は労うように桃華の腕を撫でた。
桃華は睫を伏せ、その大きな手にそっと冷たい指先を重ねる。
長い廊下を、柱間の足音が遠ざかる。
夫のぬくもりが残る布団に潜り込んだ桃華は、低く囁くような声で話し始めた。

「昔、或るところに白雪姫という美しい姫が住んでいました…」


良く出来た妻だと柱間は思う。
申し分ない夫だと桃華は思う。
今宵、夫は寝所に戻らないだろう。
扉間は桃華の孤独を知っている。

 

 

「水の国? 霧隠れか?」
「まだ裏は取れていないが、何かありそうじゃ」
柱間は低く呻いて、杯を置いた。
「厄介だな」
「厄介事をワシに押し付けるのは兄者だろう」
「まあ、そう言うな。お前には感謝してるさ。今夜は泊まっていくんだろう?」
柱間は扉間の頬に朱が差すのを見逃さなかった。

 

組み敷くのは兄。
受け入れるのも兄。
黒と白。
静と動。
同じ染色体。
同じ遺伝子。
阿吽の呼吸で交わる肢体。
二重の禁忌を犯す夜、ふたりを咎めるように何処かで鵺が啼いた。

 

雄のそれは放った瞬間から急激に冷めていく。
痕跡を残さないよう、扉間は後始末に余念がない。
扉間に抱かれる度に、桃華を抱く度に、火影と呼ばれる男は、艶を増す。
柱間は自分とこうしていても、桃華を世界で一番愛していると言って憚らない。
扉間は時々何もかもがわからなくなる。
柱間は扉間の孤独を知っている。

 


「義姉上はワシらのこと、気づいておるんじゃろうか」

浴室から出たきた柱間に、独り言のように扉間が言う。
ふふ と柱間が笑う。
障子を開け放ち、秋の月を見上げる柱間を扉間がじっとみつめる。
柱間の濡れた黒髪が月の光を浴びて艶やかに輝いていた。

「世間でもよく言うだろう? 結婚する前は両目で相手を良く見ろ、
結婚してからは片目を瞑って相手を見ろ って」
柱間が云わんとしていることが良く解らず、扉間は綺麗な眉を顰めた。

「桃華は、黙殺している」
「黙殺? 合点がゆかぬ。女子というものは大抵はひどいヤキモチ妬きじゃ。
コハルをみてみよ。まだ小さいくせにワシが余所見しようものなら
金切り声で責めよる。 黙認の間違いではないのか?」

「扉間…」
柱間は真顔に戻り、ずいと扉間に歩み寄った。
「未だ独り者のお前には、夫婦の機微というものが解らんのだろうな。
お前も早く所帯を持て。兄は心配じゃ」
「な、なにを…!」

真っ赤になる扉間を柱間は笑う。
「賢い女を選べ。賢い女に選ばれるよう鍛錬しろ」
どの口がそういうことを言うのだとばかりに、扉間は苦い顔で柱間をみつめた。
我が兄ながら、惚れ惚れするほど美丈夫を絵に描いたような漢だと思う。

「風が冷たい、今夜は冷えるな。桃華が寒がってないといいんだが」
柱間が独りごちて、障子を閉める。
「兄者…」
同情を織り交ぜた嘆息をひとつ漏らす。
「兄者はワシには解らん夫婦の機微とやらで、
義姉上の尻に敷かれている振りをしているのだな?」
「どっちだっていいさ。いずれにせよ、いつの世も英雄は色を好むのだ」

豪快に笑う柱間に扉間は手を顎に遣って考え込んでしまう。


嗚呼、御母堂よ。
ワシらは貴女が想い描いたように育ったのだろうか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

実はここだけの話、完全版があるんですよ~♪
対様にお許しを頂いているので、次回蔵出しにvv

 


 


コメント(2) 
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コメント 2

ねね


ケイさん こんばんは♪
ご来訪とコメントをありがとうございますv

レスが遅くなってすみません;;
木の葉の創始者は火の意思を持つ何もかも超越したすんごい人物!という妄想を抱いていますv
だからその行動は常人には理解できなくて当たり前なのですよ~(笑)
完全版では柱間のふたりに対する気持ちなんかもちらっと書いてます♪
冬休み明けに蔵出ししよっかな。
楽しみにしてくださって嬉しいですわ! イヒヒヒヒヒっvv






by ねね (2009-12-15 20:08) 

ねね



緋桜さんv
クセのある作品なのに、コメントをありがとうございます♪

戸惑わせてごめんなさい;
どっちも…は昔の戦国武将では当たり前のことでしたからね。

奥深いだなんて!そんなこと絶対ありまへん(爆笑)
これは、対様主催の火影祭りだからこその産物です。
マスター様の設定を少し歪曲させてしまってます;;
蔵出しの際には、より濃厚で訳ありな大人の世界をお楽しみいただければ嬉しいです♪





by ねね (2009-12-23 12:48) 

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