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存在 [SS]

本日の妄想:基本的に励ましてくれるイルカ先生だけど、そうでないこともある。

いや~、人間 無理はイカンですよ。
特に主婦のみなさま方!
知らず知らずの間に無理していませんか?
自分を押し殺して自分に厳しくし過ぎてませんか?

如月ケイさんお勧めの「花咲き山」を読んだあとで母から電話で言われたことなど、
しみじみしたので、イルカ先生に変換しました(笑)
ああ、しみじみ・・・・・・・

 

 

ところで、竹中直人さんが好きなので この番組 を見るのが楽しみです♪
この劇画のような絵、イルカ先生みたいに男前なのでいつも見入ってしまいます。
鼻疵つけたいくらいですvv

 

 

 

 

 

             ― 存在 ―

 

 

また一粒、涙が浮かぶ。
じんわりと 心の奥底に澱のように溜まっていたものが湧き出るように、浮かんでくる。 
零れる前に忍服の袖で拭って、きっと前を見る。
泣いてはいけない。
大人が、教師が、泣いてはいけない。
泣きたいのは子供たちの方だから。

子供たちは迎えに来た親に連れられて帰って行った。
数分前まで、木の葉病院のロビーはパニック状態に近かった。
「どういうことなんですか!?」 「説明しろ!」 「ウチの子は無事なんでしょうね?」
親たちの怒号が耳の中でリフレインする。
「申し訳ございません。打撲やかすり傷を負った子が数名いますが、手当ては済んでいます」
「本当なの?」「頭を打ったりしてないだろうな?」「後遺症が出たらどうするつもりだ?」 
「なにか様子がおかしいようなら連絡くだされば、すぐに医療忍が駆けつけますから…」
「これだから、女教師は…」 「イルカ先生だったらこんなことには…」  
「申し訳ございません」
私は頭を下げるしかなかった。
大切なお子さんを危険に晒してしまったのだから。


沢登りの野外練習だった。
本来ならイルカ先生も同行の予定だったのが急な任務で、私ひとりで引率することになった。
もっと、風の流れを読んでいれば。
もっと、雲行きを見ていれば。
そもそも私一人で引率など、無理だったのではないだろうか?
今となっては後悔することばかりだ。
 ―上流でのゲリラ豪雨
空には雲ひとつなかったことなど言い訳にはならない。
突然、誰も流されなかったのが不思議なほどの濁流が襲いかかって来た。
泣き叫ぶ女子 硬直する男子
分身を使って大木の上に避難させた。
そのときに小枝で引っかき傷を作った子供が数名。
驚いて沢の岩苔で滑って打撲を負った子供が数名。
重症を負ったり、行方不明になった子供はいない。
それだけが救いだった。

頭を抱えたくなる。
なんて情けない。
イルカ先生に顔向けできない。

「あなたも手当てをしましょう。少し深そうだから縫うわね」
脚半が裂けて、ぱっくりと傷口を開いた脛を見ると途端に痛みが走るのはどういう訳だろう?
どす黒く変色した脚半は、私の胸の内のようだった。
私は蚊のなくような声で短く礼を言った。
「疲れてるようね。少しお眠りなさい」
麻酔の所為だろうか 目の前が真っ暗になった。


 

ぼんやりと見覚えのある人影が見えた。
広い背中、疵が横切る鼻梁、高い位置で結わえられた髪。
イルカ先生、戻ってらしたんだわ。
真剣な表情で窓の外を眺めていたイルカ先生が私の方へ向き直って、近づいてくる。
顔を覗き込んで、目が合うと、いつもみたいににっこり笑う。
「…大変だったな」
私は何も言えない。
舌が奥の方へ引っ込んでしまったかのようだった。
「でも無事でよかった。あ、キミは怪我しちまったけど」
涙が溢れてくる。
今度は、さっきみたいに一粒づつではなく、堰を切ったように流れ出て次々と耳に入る。
「ごめんなさい。私の所為で…」
必死で搾り出した声は掠れていて、それは私を一層惨めにさせた。
「仕方ないさ。自然災害だから、誰の所為でもないよ」
「だけど、イルカ先生だったら、事前に危険を察知できたと思います。
子供を危険な目に遭わせてしまったのは、私が至らなかったからです」
しゃくり上げそうになるのを我慢して、なんとか言葉を繋げる。
「自分の不甲斐無さに腹が立ちます。イルカ先生の顔にも泥を塗るようで…ごめんなさい」
私は心からイルカ先生に詫びた。
イルカ先生はじっと聞き入っていたかと思うと、軽く目を閉じて首を横に振った。
「いや、違う。それは違うよ。オレもあんな任務、断ればよかったんだ。大名夫人の麻雀の人数が足りないなんて、いくら指名貰っても断ってもらうべきだった。っていうか、オレじゃない方がよかったんだ。負けちまったからな」
ふふっとイルカ先生が笑った。
私は唇を噛み締める。
イルカ先生に、忍者が任務を断るべきだったなんてこと、言わせてしまった自分が嫌だ。
慰めの為に誰が何を言ってくれても、自分の未熟さに呆れて情けなくて泣けてくる。
こんなとき、イルカ先生はいつも励ましてくれた。
なに言ってんだ キミらしくないぞ チャンスは一度きりじゃないさ 頑張れよ って。
なのに、今日に限って何故何も言ってくれないんだろう?
口ではああ言っても、きっと呆れられているのだと思う。
イルカ先生は見兼ねたのかティッシュを数枚掴むと、少し戸惑いながら涙を拭いてくれた。
「すみません」
と言いながら慌ててそのティッシュを受け取って、自分で目をこする。
「いいんだよ。終わりよければすべて良し なんだから」
「でも、私、もっともっと頑張らなきゃ、イルカ先生みたいな教師になれないわ」
日頃、思っていたことを口に出して言ってしまえば、コントロールできない程、感情が高まってしまう。
「いつもイルカ先生に憧れて、イルカ先生みたいな教師になりたくて、頑張ってきたけど。
でも、私はどんなに頑張っても全然届かないって、今日、わかっちゃった…」
イルカ先生の眉が困った形に変わった。
身を屈めてベッドの柵に手をかけたイルカ先生の顔が近づいてくる。
夜泣きをする小さな子をあやすみたいに髪を撫でつけながら、しーっと繰り返す。
「しーっ…しーっ…大丈夫だから。落ち着いて」
「イッ、イルカ先生だって本当は呆れてるんでしょう? 教師失格だと思ってるんでしょう?
だから、今日はいつもみたいに頑張れって叱咤激励してくれないんでしょう?」
「…しーっ」
イルカ先生の顔がどんどん近づいてくる。
額が合わさるともう一度長く、「しーっ」 と言った。
なんだか自分が駄々っ子のようで、違う意味で惨めになってきた。
恥ずかしくて目をぎゅっと瞑って、息を詰める。
イルカ先生は次になんて言うだろう。
それとも呆れて怒って出て行ってしまうだろうか?
「オレ、いつも頑張れって言って来たよな? だけど、もう充分頑張ってる人に、それ以上頑張れなんて言わねえよ。言えねえよ。キミの頑張りはオレが一番良く知ってるから」
脳神経に直接染み渡るような声音だった。
息がかかるほどの距離で聞く声はこんなにも心を揺さぶるものなのか。
「キミはよくやったよ。本当だよ」
おずおずと目を開けると、焦点が合わないほど近くにイルカ先生の顔がある。
「今までだって、いつだって、よくやってる。本当にそう思う。よく頑張ってる。」
途端に心拍数が上がる。
「なのに、なんでそんなに自己評価が低いんだい? もっと自信持てよ。もっと自惚れていいんだぜ。オレみたいになんてならなくていい。キミの存在自体が素晴らしいんだから。キミが歩いてきた道には、きっといっぱい花が咲いてるよ。キミが咲かせた花だ。あ、ちょっとクサかったかな?」
あははと笑うとイルカ先生はつけていた額をそっと離した。

次第に遠ざかるハンサムな顔を凝視する。
この人は本当に素敵なひとだと感嘆してしまう。
「だから、大丈夫!」
イルカ先生が快活にそう言ったとき、私の涙はもう乾いていた。
イルカ先生の存在こそが、私にとってかけがえがないものだと思い知らされた。

 

 

 

 

 

 

 

 




 


 


コメント(4) 
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コメント 4

ねね



ケイさん こんにちは♪
ご来訪とコメントをありがとうございますv

このヒロインさんは必死過ぎて自分の疲れにも気づいていないの;
イルカ先生に認めてもらえるようにと日々必死だったのですよ。
イルカ先生は既に認めてるんだけどね、必死過ぎてそれにも気づいてないの;
周りが敵だらけでも、イルカ先生みたいな人が味方についてくれたら怖いものなしですよね~(笑)

ケイさんはチーズケーキでご褒美vイイですね~♪
だってケイさんも毎日充分頑張ってるの、私、知ってるものv
ご自身に、たっぷりとご褒美、あげてくださいな~vv



by ねね (2009-08-17 14:30) 

ねね



ビスコさん はじめまして こんにちは♪
ご来訪とコメントをありがとうございますv

もりながビスコさん…なんて甘くて素敵なHNなのでしょう!
ビスコさんもイルカスキーさんなんですね~vvそれだけでもうお仲間です(笑)
まあ、150ほどあるのに全部読んでくださったんですか!?
妄想垂れ流し、愛想のない僻地ブログを気に入ってくださって嬉しいですv
ありがとうございます!!
これからも応援してくださるの? 嗚呼!なんと心強いお言葉!!
そのお言葉どおり、不適切コメントにご心配と励ましのコメントをありがとうございました。
本当にね~気持ち良く腐っていたいだけなのにね~なんで男子がチャチャ入れるかな~ほっといて欲しいのよね~;;だからトラックバックを受けつけてないのですよ(笑)
こちらこそ、末永くよろしくお願い致します。


by ねね (2009-08-17 14:54) 

ねね



ナナさん こんにちは♪
ご来訪とコメントをありがとうございますv

嫁任務より戻って参りました~v
ほぼ同時にPCも戻って参りました。
案外早くてびっくり。ハードじゃなくてケーブルが悪かったんだってさ;
言われたとおり初期化と再構築に費やした半日を返して欲しいわ(プンッ)

そうそう、子供には頑張れってついつい言っちゃいます。
きっと子供にはそれが必要なのでしょう。
だけど、思春期を迎える頃にはちょっと引いた方がイイのかもしれませんね。
いいよ、そのままでいいよ。 頑張ってるの、知ってるよ って。
ナナさんが頑張りやさんですものね、きっとご子息も頑張りやさんなのね。

先程、お邪魔してきました。
夏休みは子供と過ごす時間が長い所為か、自分の子供時代を思い出しますよね。
ナナさんもご自身にご褒美あげてくださいね♪
残暑厳しい折、お身体を大切になさってくださいませv


by ねね (2009-08-17 15:11) 

ねね



緋桜さん こんにちは♪
ご来訪とコメントをありがとうございますv

わ~;; 緋桜さんてば、私のこと買いかぶりすぎですよ~;;
緋桜さんから頂いた宝物のような沢山のお言葉、人生のなんやかんやに挫けそうになったとき、思い出します。思い出してまた闘います(笑)

先日放送していた深イイ話№1に選ばれたT氏の言葉 「未来の自分を励ましてくれるのは過去の自分だけ」 っていうのに、えらく心を揺さぶられました。やっぱ先生のいうことは正しい(笑)

私も緋桜さんに出会えてシアワセですよvv
いつもありがとうございます♪


by ねね (2009-08-19 23:14) 

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