So-net無料ブログ作成
検索選択

若葉 [SS]

本日の妄想:木の葉の漢は今も昔も最強にして最高vv

 

お久しぶりの更新です。
一山越したので戻って参りました。
だけど来月再来月とまだ二山、三山越さねばなりません…
集中してたら、知らん間に桜が終わって新緑の季節を迎えてました;;
ちょっと吃驚したけど疲れ目にグリーンがありがたいですvv


 

 

           ― 若葉 ―

 

「お疲れさま、交替の時間よ」
ツーマンセルの相手、日向家出身の先輩が黒髪をさらりと揺らしてにっこりと微笑む。
私は時計をちらりと見て、少し慌てた。
「でもこれだけ、この1巻だけはやらせてください」
解読途中の古い巻物を手に、懇願する。
「お願いします。 あと少しなんです」
「だけど、もう2週間も籠もりきりでしょう? 早く外へ出たくないの?
桜はもう散ってしまったけど、新緑が美しい季節よ」
先輩は少し心配そうに私を覗き込んだ。
「彼氏が恋しいでしょうに。 だって2週間よ?2週間!もう何分も待ってられないでしょう?」
「…あと少しだけなんです。お願いしますよぅ」
日向家独特のクールビューティーな癖に、この先輩は時々私をからかう。
「仕事熱心だこと」
先輩はふふっと笑った。


東の森で、古い巻物が大量にみつかった。
ナルトくんが修行をして地形が変わってしまった場所で、偶然みつかったものだった。
開封と同時に何かの術が発動するかもしれない。
日や光に当たることで、何らかの変化が起こることもある。
だからこそ頑丈に結界を張った薄暗い密室で、白眼を駆使して危険を見極めながら
火影様直接に命を受けた十数名が慎重に封を解き、古式忍文字を解読している。
誰かが隠していた古い巻物の解読 ― それはスリリングで興奮する体験だった。

 

数分後、解読に成功した巻物数巻を携えて火影様の許へ。
2週間、暗室に籠もっていた身には外の空気は新鮮で、日の光が眩しい。

「…まさか、だったわねえ?」
「はい、まさかでしたね。びっくりです。お疲れ様でした」
私も笑って先輩にお辞儀をして別れを告げる。
「お疲れさま。あ、アンタは今からもっと疲れるンだっけ?」
アハハとクールビューティーらしからぬ笑いを振りまきながら、日向先輩は跳ねるように去って行った。

 

先輩の言ったとおり、桜は散り、芽吹いたばかりの若葉が美しい。
白眼は何もかもお見通しだ。
遠くの山々も所々黄緑が混じっている。
この数日、纏まった雨が降ったのだろう、匂いで解る。
そのためか一層、新緑が際立って美しく見える。
若葉の頃。
イルカさんと出会ったのも、告白を受けたのもこの時期だったと懐かしく思い出す。
花冷えが厳しかった2週間前とは随分違う。
汗ばむような陽気と賑やかな雲雀たちのさえずり、眩しい陽光。
暗く静かな部屋に2週間も居た所為か、目にするもの全てが神々しく見える。



――イルカさん…
どうしてるだろう?
この時間なら受付にいるだろうから会いに行こうか。
いや、やっぱり一旦家に帰ってお風呂に入りたい。
ずっと簡易シャワーだったもの――


などと考えていると、木々がざわめくのと同時にイルカさんが目の前に降り立った。
「わあっ! あー、びっくりした!!」
「なんだよ、それ? 色気ねえなあ。 久しぶりに会えるから跳んできたのに」
イルカさんは不機嫌そうに眉を顰めた。
「え?今なんて?私に会えるから跳んで来たって、言った?ね?そう言ったよね?」
嬉しくなって両手を合わせてウキウキと詰め寄る私に、イルカさんは困ったように鼻疵を掻く。
「…お前、なにこんな事ぐらいで目をキラキラさせて嬉しそうにしてんだよ?」
「だって若葉の頃よ! 見て!この新緑! ものみな命萌ゆる春なり!」
「訳わかんねえ事言うな。 っつうか、今日はよく喋るなあ。 テンション高っ!」
突き放すような言葉だけど、久しぶりに見るイルカさんの日に焼けた顔は、朗らかに笑っていた。
私は腕を広げて、澄み渡る青空と木漏れ日を仰ぎ見ながら深呼吸する。
「薄暗~い密室から開放されて明るい外界へ出てきたのよ。 冬から初夏へ飛んできた気分。
それに嬉しいもん。 イルカさんのこと考えてるときに現れてくれて」
イルカさんはじっと私を見つめると急に真顔になって頬を赤らめた。
「つ、疲れたろ? 一楽行くぞ。飯食おう」
「やったー! イルカさんの奢りね?」
「ちぇっ、現金な奴。 食ったらオレん家寄ってけ。 約束だぞ」
イルカさんは耳まで赤くなって、もう一度鼻疵をぽりっと掻いた。

手を繋いで歩く一楽への小道。
2週間前、ほろ酔い気分の二人が歩いた時には七分咲きだった桜並木。
今は桜餅にもってこいの綺麗な葉っぱをつけている。
「良い季節になったわねえ?」
見上げるとイルカさんは視線だけ寄越して、すぐに前を向いた。
「ねえ?そう思わない?」
「これから暑くなるんだぜ?」
「そうよ、寒いよりいいじゃない?」
イルカさんは返事をしない。
「寒い方がいいの? 暑いと任務後のビール美味しいよ?」
「んんーっ」
イルカさんが唸りながら、私の手をギュッと握った。
「それも捨てがたいんだけど…。オレはやっぱ寒い方がいい」
「やっだー、なんで? 寒いと肩凝るわ」
「お前、それでも忍か?」
「確かに夏の夜は短くて任務し難いけどね。イルカさんはなんで寒い方がいいの?」
黙ったままイルカさんが立ち止まった。
私も立ち止まって、イルカさんが何か言うのを待つ。
ほんの数秒後、イルカさんは私を抱きかかえると熱烈なキスを繰り返した。
物凄いキス。 
2週間も触れ合うことがなかったのに、このいきなりの展開に私の中枢器官が混乱してしまう。 
放心状態の私を抱きしめたままイルカさんが耳のすぐそばで囁いた。
「お前、寒がりだからずっとオレにくっつくだろうが…だからオレはっ」
もう一度キス。
「それからな、覚えとけ。 オレはずっとお前のことばっか考えてるよ」
じっと目をみつめて、耳まで赤くしてこんなことを言うオトコマエ。


ああ、今も昔もこの里とこの里に住む人は愛に満ちている。
イルカさんって若葉みたいに初々しいことがあって、その度に私はきゅんっとする。
感激と感動で涙が溢れそうだった。

 

 

「…で、例の巻物、中身は何だったんだ? 差し支えなければ教えてくれよ」
お腹も心も満たされたあと、ベッドの上でイルカさんが私の踝を撫でながら問いかける。
「ああ、あれねえ…」
人差し指でイルカさんのアキレス腱を辿っていた私は、思わず笑みを洩らした。
「うふふ、何だと思う?」
私は勿体をつけて、踝を甘噛みされるのを待つ。
噛んでくれたら教えてあげようと思う。
今、舐められた。
もうすぐ噛んでくれる。
そうしたら教えてあげる。
イルカさんは驚くかしら。
見つかったあの古い巻物の殆どが、初代火影様の熱烈な恋文だと知ったら。

 

 










 

 

 


コメント(5) 
共通テーマ:アニメ

コメント 5

ねね



ナナさん こんにちは♪
ご来訪とコメントをありがとうございますv

携帯でご覧いただいてるのかしら?
パケット代掛かるのにすんません;; ありがとうございますvv 

頑丈な男の人のアキレス腱がきゅうっとなってんのがスキなんですよ~、私(恥;)
踝はね~、くるぶしって響きがスキッ(笑)

PCは戻ってきましたか?
動かないようになったらパニックになりそうですよね;;
でもお知り合いに詳しい方がいらっしゃるのでラッキーですよ!

また、遊びに行かせていただきます♪
ゲンマに逢いに行かなくちゃvvv








by ねね (2009-04-25 15:37) 

ねね



ケイさん こんにちは♪
ご来訪とコメントをありがとうございますv

効きましたか?久々のイルカは?
もしや、ケイさんはイルカ中毒に侵されてしまった? だったら嬉しいなvv(笑)

日向先輩の登場はね、ケイさんちのネジ夢に触発されたんですよー!
摩訶不思議なクールビューティー日向一族と一緒に任務に就いたら、
頼りがいがありそうですが、外見とは裏腹に下世話だったり毒吐きだったりしたら
面白いな~と妄想しました(笑)
そういう意味では油目一族も色々とオモロそう(爆笑)
ヒナタは本誌で堂々と攻めてましたね~。 将来が楽しみっ(←オッサンか;笑)

先程、ケイさんちにお邪魔していました♪
島本君のファンの私は、切なくて喉が渇きました。 エエ漢や~!
ではまたね~^^



by ねね (2009-04-25 15:52) 

ねね



上午さん こんにちは♪ おかえりなさいませ!
ご来訪とコメントをありがとうございますv

復活なさって、早速お越しいただけるなんて、嬉しいですvv
イルカも喜びのあまり真赤になって鼻疵ぽりぽり掻いていることでしょう(笑)
原稿とお仕事の大波、大変お疲れ様でした!!!

初代様の熱烈ラブレターは勿論、桃華姐さん宛ですよ。
戦国武将武田信玄の恋文くらい必死のパッチだとオモローv(爆笑)
そのあたりを絡めて、今年の火影祭りに参加できたらいいなあと
希望だけは持っています☆

オンで上午さんの素敵絵とお会いするのがとても楽しみです♪
雨で妙に冷えますが、どうぞお元気でvv 









by ねね (2009-04-25 16:12) 

ねね



金鳳花さん こんにちは♪
ご来訪とコメントをありがとうございますv

そうなんですよ! イルカ先生は新緑が似合うの!
5月生まれだからかな~? 爽やかなイメージですものねvv

一戦交えたあとのふたり、気だるいムードで離れきれずにいます^^
ほら、イルカ先生はアフターサービスがある人だから(笑)


例年通り嫁任務はあるものの、GWはゆっくりできますよv 
ただ明けてからが連峰のような山があります(苦笑)
励ましのお言葉、ありがとうございます! ガンバリマッスル!!
金鳳花さんもどうぞお元気でvv
後ほど遊びに参ります~^^



by ねね (2009-04-25 16:22) 

ねね




緋桜さん こんにちは♪
ご来訪とコメントをありがとうございますv

元気魂を取り戻されたご様子にほっとしています。
ああ、よかったあ~vv

うはは♪体勢ね~vお察しの通り数字で表される体位の変則系。
イルカ先生は堅物かと思いきや結構なんでもやります(爆笑)

バトンをありがとうございます。
それ、いつだったかな、確か2年ほど前に受け取りました。
今回は申し訳ございませんがパスさせてください。 ごめんなさいね。
今ね、ひとつ受け取ってるの。
これが、簡単なようで奥が深い!
アンカーになる心算でしたが、緋桜さんに回しちゃおっかな?(笑)









by ねね (2009-04-28 11:48) 

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。

×

この広告は1年以上新しい記事の更新がないブログに表示されております。