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ブランコ [捧げ物]

花酔回廊 の 緋桜さんへ サイト開設1周年記念のお祝いに献上させていただきました。
緋桜さん、これからもお身体を大切に、オンにオフに更なるご活躍をお祈り申し上げます。

ss「ギンナン」に頂いたコメントから生まれたお話です。
カカシの恋人に恋焦がれるイルカ先生vv
そのあと、二股バトンなるものを頂いたりしたのもあって、初の三角関係でございます。


三角関係といえば、この映画しか思い浮かびません。 
カリブの熱い夜  この歌、大好きでした~♪ 




カカシがちょっと厭な野郎に思えるかも。
というより 三人が三人ともそれぞれ不器用で少しずつ黒い。
恋人に固執するカカシ 告白しないイルカ  二人の間で心がブランコのように揺れるヒロイン
それでもやっぱりカカシは私の王子様兼ヒーローなんですよvv

大人向け仕様のため、お子様はお戻りください!

 

スキン変えました~♪ 当分コレで行こうvv

 

 

 

       ― ブランコ ―

 

 

 

繰り返し、同じ夢を見ることがある。
幼い緋桜が、ブランコに乗るイルカの背中を押してやっている夢だ。
「怖いよ。緋桜ちゃん、怖い。止めて」
二歳年下の、より幼いイルカの怯えた声が聞こえても、緋桜は力を弱めなかった。
「男の子でしょ? 頑張って、ほら、もう少し。一番高いところでジャンプできたら、
お嫁さんになってあげてもいいわ」

イルカは跳んだのだろうか。
夢はいつもそこで終わる。

 

「幸せそうな顔して…どんな夢見てるの? 俺が傍に居た?」
脳髄をとろけさせるような美声に眼を開けるとすぐに、銀髪で視界が遮られた。
「カカシ」
キスの合間に恋人の名前を呼ぶ。
「おかえり。無事でよかった」
「ん。でもチャクラが残り少ない。ごめんね」
カカシはそう言い残すと緋桜に全体重を預けた。
緋桜はカカシの頭を胸に抱きしめ、すぐに印を結んで分身を遣いにやる。
程なく医療班が迎えに来るだろう。
それまで緋桜はカカシの身体を宝物のように抱きしめて、チャクラを分け与え続ける。

酷い任務に就いたときのカカシは、病院へ行くより先に緋桜に会いに来る。
己の生を、不在の間の緋桜の操を確かめるかのように。

 


翌日、緋桜は火影邸で極秘任務計画を告げられた。
特別上忍として初の大仕事―大蛇丸のアジトへの奇襲計画のメンバーに組み込まれたのだった。
作戦実行まではまだ時間がかかるというものの、緋桜は緊張していた。
カカシに会いたいと思った。
その足で入院中のカカシを見舞う。
真冬の冷たい風が一層冷たく感じられた。

「…そ。大蛇丸とは、相当キツイね。抜かるなよ」
「ええ。わかってるわ」
「ガイが隊長ってのが気に要らないね。俺だったらよかったのに」
カカシはにっこりと綺麗な顔で笑った。
入院中でさえ綺麗なカカシ。 
綺麗で完璧な恋人。
緋桜が遠慮がちにカカシの長い指にそっと触れると、カカシは意味ありげに形の良い唇を舐めた。
「おいで」
「でも」
「大丈夫。結界張ってちょーだい」
緋桜が頬を染めて立ち竦むのをカカシが急かす。
「大丈夫だよ。でも動けないから顔の上に跨ってくれるかな?」
甘い吐息をひとつ零したあと、緋桜は印を結んだ。


カカシとの情事のあとは、まるでブランコに乗り過ぎたあとのようだと緋桜は思う。
高みを目指して懸命に漕ぎ続けて、一番高いところでジャンプして、着地する。
特に今日は、夜まで立ち漕ぎで遊んだ子供の頃のように、膝の震えが治まりきらない。

 


病院のロビーでイルカに出会った。
緋桜の姿を認めると、イルカはいつも嬉しそうに一目散に駆け寄る。
同じ境遇で育った年下の幼馴染は、立派な教師となった今も、屈託なく手を振った。

「カカシさんのお見舞いですか?」
緋桜は視線を外してこっくりと頷いた。
カカシとの情事直後、その余韻も冷めぬ間に幼馴染に会うのは少し気が引けた。
過ぎた悦楽に尚も溢れる名残に気づかれまいかと心配にもなる。
「イルカくんは? 病院にいるなんて珍しいわね」
「モミジが…オレの最初の教え子で女の子なんですが、ナルト並に手の掛かかった子でね。
心配してたんですが、今回初めて長期の諜報任務に出ることになって…」
「防御ね」
先を言いよどむイルカに変わって緋桜が言った。
諜報任務に就く前のくノ一は懐妊を防ぐ為の特別な術を受ける。
「なんか、オレ、落ち着かなくて。何もしてやれないのは解ってるんだけど、頑張れとしか言えなくて」
「イルカくんらしいわね」
緋桜がにっこり笑うと、イルカもはにかんだように笑う。
幼馴染なのに、緋桜が特別上忍になった頃から、敬語交じりに話すようになった事も
イルカらしいと思う。
「もし今から帰るんなら、よかったら、一楽一緒にどうですか?」
「いいわね。久しぶりにイルカくんに会ったら、ラーメン食べたくなっちゃった」
ひでえなと笑うイルカと共に緋桜は病院を後にした。

なけなしのチャクラを練って、カカシが二人の様子を探る。

 


「聞きましたよ」
スープを飲み干したイルカがぽつんとそう呟いた。
「そう」
緋桜は紙ナプキンで口元を拭った。
「私にも頑張れって言ってよ。モミジちゃんに言ったみたいに」
「頑張って。どうか無事に帰って来てください」
鼻疵の上、大きな黒い瞳がしっかりと自分を見つめている。
その瞳の奥に宿る、幼い頃には無かったある種の意味深さを気づかぬように振舞って、もう数年経つ。
「帰るわよ。無事に帰って来るに決まってるじゃん」
緋桜はそう言うと、昔よくやったようにイルカの結わえた髪を掴んで引っ張った。
「痛ってえ」
「アハハ、油断したね。親爺さんご馳走様。おあいそはイルカくんが」
「ハイハイ、払いますよ。出立前の餞ってことで」
イルカは少年のような顔で笑った。


家まで送ってくれるというイルカに一度は断ったものの、あまりに熱心に
申し出てくれるので緋桜は渋々承知した。
一緒に居る時間が長ければ長いほど、緋桜が黙殺しているイルカの感情が
大きな渦となって緋桜を取り巻く。
緋桜は怖かった。
イルカの真摯な想いが怖かった。
その渦に飲み込まれると、二度とカカシの元には戻れなくなるかもしれない。
有り得ないと思う。
里の誉れと謳われた男の恋人の座に就いているのに。
この年下の純朴な幼馴染に心が動く可能性など、無いに等しいのに。
イルカと一緒に居ると芯からくつろいでいることに、緋桜は嫌悪を覚えた。
と同時に甘美な背徳を感じずにはいられなかった。
「ちょっと、遠回りしませんか?」
三叉路に差し掛かかる直前、イルカの提案を、緋桜は拒む事ができなかった。
緋桜の肘を取るとイルカは家とは反対方向へ進んだ。

 

そこは二人が育った地域だった。
緋桜とイルカは向かい合う家に其々住んでいた。
二人の両親は共に戦忍で、本当に小さな頃から姉弟のように一緒に遊んでいた。
九尾の事件が起こるまでそれは続いた。
二人の両親が殉職するまでは。
幼いイルカは三代目火影の保護の許、ひとりで暮らすことを選んだ。
緋桜は親戚の家に引き取られていった。
アカデミーの最高学年に差し掛かり思春期を迎えると、
お互いがお互いを意識して避けるようになった。
もう、ブランコの背中を押し合うような年頃ではないのだと理解したからだった。


「区画整理が進んで、オレたちが育った頃の面影なんてないと思ってたのに、
ほら、あれだけは残ってる」
イルカが指差すと、そこには昔のまま二人で遊んだブランコがあった。
何度もペンキを塗り替えられてチェーンを取り替えられたブランコを見ると、
緋桜は胸がいっぱいになった。
ブランコに乗って遊んでいる頃、毎日が安全で満ち足りていた。
完璧に無邪気な子供でいられた。
両親がいて、苦労知らずの自分がいて、弟分みたいなイルカがいて、
時々家族ぐるみで食事をしたり、悪戯をして家に逃げ込んできたイルカを押入れの中にかくまったり、
虫って食えるんだぜとマッチで炙って火事になりかけて叱られたことなど、思い出が一気に溢れ出した。

「大丈夫?」
瞳孔が開き気味の緋桜にイルカが心配そうに声をかけた。
「あ、あはっ。ごめん。なんか一瞬思い出に浸りまくってた」
イルカは安心したように微笑むと、照れたときに出る癖なのか、人差し指でぽりっと鼻疵をかいた。
「オレ、今もよく夢に見るんだ。ブランコに乗る緋桜ちゃんの背中を押してる夢。
一番高いところまで来るとジャンプするんだ。オレはそれを見てドキドキハラハラしてる。
可笑しいだろ? 随分昔のことなのに…」
イルカは自嘲すると、誰も乗っていないブランコをそっと押し出した。
きいと耳障りな音が響いてブランコが揺れる。
「そうね、随分昔のことだわ」
自分も同じような夢を繰り返し見ているとは言えなかった。
イルカが距離を縮めて、低い声で尋ねた。
「カカシさんと居て…」
どきんと胸が痛んだ。
イルカは何を言おうとしているのか。
何も聞きたくなかった。
「…幸せかい? 緋桜ちゃん」
思わず息を詰めてイルカを見遣ると、またあの例の眼差しで緋桜を凝視している。
逃れようの無い情熱を込めた瞳に一瞬たじろいてしまう。
「当たり前じゃないの!」
怒ったようにそう言うとぷいとイルカに背中を向けた。
「ああ、寒い。もう、早く帰りたい」
腕組みをして肩をすぼませて足早にもと来た道を帰ろうとする緋桜にイルカが瞬身で寄り添った。
大きく温かな手が肩に回される。
頭ひとつ違う背丈、広い背中、長い脚。
いつの間にこの青年はこんなに逞しく成長したのだろう。
こんな風に肩を抱かれると、まるで庇護されているように感じてしまう。
「ごめん。 風邪引かせたら、オレ、カカシさんに殺されるな」
おどけるイルカに胸が詰る。
カカシと居て幸せか?
そんなこと、考えた事も無かった。

暫く歩くと、イルカが言いにくそうに話し出した。
気を悪くしないように前置きをしたあと、緊張した面持ちで言った。
「カカシさんの噂、よく聞くんです。 頼まれたら拒まないって」
「ただの噂よ。私は気にしない」
即座にそう答える緋桜が嘘を言っているとイルカは直感した。
カカシの恋人になってからというもの、今迄何度、緋桜が泣いてるのを見たことだろう。
気配を断ち、声を殺して泣いているのをイルカは知っていた。
それは幼い頃の二人だけの秘密基地にしていた、森の外れの窪地でのことだった。
あの思い出の場所で、大人になった緋桜はひとりで泣いていた。
「……そうか、それならいいんだ。ごめん。変な話しちまって」
イルカは努めて普段より朗らかな声でそう言った。
緋桜は涙が滲むのをぐっと堪えた。
深呼吸して上顎に舌を押し付けて、なんとか遣り過ごした。
噂なんかじゃないことを、緋桜は誰よりもよく知っている。

 

里の誉れ 里一番の技師 写輪眼のカカシ
それが緋桜の恋人。

付き合い始めて間もなくカカシは言った。

「俺が愛してるのは緋桜、おまえだけだよ。これだけは忘れないで。俺の魂はおまえだけのもの。
だけど、肉体はちがう。俺の髪の先から爪先まで里のものだ。 ビンゴブックに載っているから
俺が死ぬ時にはな~んにも残んないけど、おまえへの想いだけは永遠に続くよ」

熱烈な愛の告白だと受け止めていた。
カカシの肉体は里のものだと聞かされても、それは忍者として里の道具であるという
事実なのだと解釈していた。
まるで違っていた事を知るのに、そう時間は掛からなかった。
最初は狼狽し取り乱した。
だが、次第にそういった感情は麻痺していった。

 

カカシさんと居て幸せかい?
イルカの問いが緋桜を苦しめる。


カカシと付き合うということはそういうことだ。
ブランコに乗ってしまったら漕ぎ続けないと止まってしまう。
あとはいつ、ジャンプしてより遠くへ着地するか。
必ずしもジャンプする必要などないのだけど、いつもイルカとその距離を競っていた緋桜は
ブランコの止め方を忘れてしまっているようだった。

 

 


次の週、イルカの最初の教え子だったモミジが所属する隊が出立した。
前日、壮行会と銘打って集った際、イルカのみならずその場に居た全員がモミジの変わり様に驚いた。
下世話な先輩達に取り囲まれて、
「カカシ上忍に…」
とモミジは少し誇らしげに打ち明けた。
イルカは打ちのめされた気分だった。
「悔いはありません。イルカ先生、私、頑張るからね」
大門まで見送りに来たイルカに、モミジはそう言って出立した。
イルカはその後姿を、奥歯をギリと噛み締めながら見送った。
緋桜は否定したが、噂はやはり本当だったのだ。


同じ週に、緋桜の隊も極秘に出立していた。
その頃にはカカシは退院していて、大門で人目も憚らず緋桜を強く抱きしめてくちづけたという。
自分が任務に参加できないことを腹立たしく思い、ガイ隊長初めチームの皆に珍しく激を飛ばした。
ガイが親指をびしっと立てて「任せておけ」と言ったのは言うまでもない。

 

 


「カカシさん。お話したい事があります。時間、空けてもらえますか?」
沈痛な面持ちでイルカが待機所を訪れたのは、緋桜が出立してすぐのことだった。
「い~よ~。なんなら今でも?」
ポケットに手をつっこんだままのカカシがのっそりと立ち上がった。

モミジのことを持ち出すイルカに、カカシは退屈そうに頭をがしがしと掻いた。
「頼まれたから抱いたまでの話。問題なんてなんにもないでショ」
カカシの言葉に、イルカは怒りで真っ赤になった。
「緋桜さんはどうなるんです? そんなんじゃあ、彼女は幸せになれない。
アンタなんかに緋桜さんと一緒に居る資格はない!」
「問答無用!!」
立場をわきまえもせず感情をぶつけてくるイルカに、カカシは苛立っていた。

「イルカ先生、なんにも解ってないね。俺が喜んで他の女と寝てるとでも思ってんの?」
イルカにずいと近寄ると、カカシは威嚇するように鼻先を合わせた。
「資格がない? は? イルカ先生にはあんの? 緋桜のこと、どんだけ知ってるっていうの?
 ただの幼馴染じゃない」
イルカの眼に力が失せていくのを見届けると、カカシは口角を上げて顔を離した。
「俺にはね、緋桜しかいないの。俺の魂は緋桜に預けてる。解ってよ、イルカ先生」
イルカはくっと喉の奥で呻いた。
「それは火影命令、なんですか?」
「ま、そんなところ。長期の諜報任務に就くくノ一達の悲惨さを知ってるでショ?生きて帰れる
保証はないし拷問を受ける事だってある。俺に何がしてやれる? 彼女達が最後の思い出にと
望むなら俺は喜んで身体を差し出すよ。せめてもの餞にね。」
「里の誉れと謳われる男の責任を果たしている心算ですか? アンタは女性を愚弄しているだけだ!」
「違うね! それだけは違うよ、イルカ先生。この世界は不条理なことだらけだ。
アンタも戦場に子供を送ってる身…わかるだろう?」

だけど!とイルカは強く思う。
自分なら緋桜に辛い思いなどさせはしない。
愛していながら、他の女に触れることなど絶対にしない。
「だけど、実際、緋桜さんは傷ついてる。アンタの知らないところで泣いてる」
「う~ん、ああ、え…っと、どういえばいいかな? モミジとの時、緋桜も一緒だった
って言えば納得してくれる?」
あまりの言葉に、イルカは目の前が真っ暗になった。
「なっ、納得なんて、できません」
「ショックだった? 緋桜だけなんだよ。暗部時代からこんなだから、今迄付き合った娘達はすぐに
愛想尽かして、長続きしなかった。正直、一生恋人なんて持てないと諦めてたよ。でもね、
緋桜だけは他の娘とは違った。理解して許してくれたのは緋桜だけ」
カカシは晴れ渡る冬の空を見上げて深呼吸した。
「緋桜はね、誰にもわたさないよ、イルカ先生。 いいね?」
カカシの声は、真冬の早朝の空気のように澄み切り、冷たかった。

 

 

 

 


また同じ夢を見ているわ。
と、緋桜は思う。
ブランコに乗るイルカの背中を押す夢。
ところが、いつの間にか立場は逆転して、自分の背中をイルカが押している。
それに自分はもう幼い子供ではなかった。
背中を押しているのもイルカでないような感じがする。
目の前の景色が大きく小さく、遠ざかり近づく。
ああ、長い事、ブランコに乗ることなんてなかった。
そうだ、あの頃、ブランコに乗って見る景色はいつもと違っていたという事を忘れていた。
頭を仰け反らせて空を仰ぎ見ながらブランコに揺られると、なんとも幸福な気分になってくる。


「急いでくれ!毒にやられた!ダメージを最低限にする為に仮死状態にしてある!!」
隊長であるガイの声が響く。
「綱手様を!早く! 体温を上げてやってくれ! 頼む! 急いで!」
ストレッチャーに乗せられた緋桜に血まみれのガイが付き添う。
「誰か、カカシに連絡を! 綱手様はまだか!?」
医療忍が大掛かりな装置に緋桜を繋げる。
手際よく処置が施されていく様子を、ガイはじっと見守っていた。
すぐに火影邸から綱手と共にシズネと、偶々一緒に居たイルカも到着した。
「シズネ、すぐに解毒だ」
「はい!」
イルカはシズネからトントンを預かると、血の気の失せた緋桜を心配そうに見つめる。
どうかどうか助かりますようにと、イルカは祈り続けた。

 

ほうと長い息を吐くと、綱手はかざしていた手を緩めた。
「これで大丈夫。仮死状態で運んだのが幸いしたな。神経系統には毒が回っていない。
ガイ、ご苦労だった。ただ覚醒するまで時間がかかるだろうね」
綱手がそう言ったとき、ようやくカカシが瞬身で現れた。
髪は濡れたまま、身体中から女の色香の気配がしている。
情事の気配を消す間もないほど慌てて駆けつけたということなのだが、
イルカはあからさまに嫌悪の表情を見せた。
カカシは毅然と睨み返す。

横たわる緋桜をこれ以上ないほど悲しそうにみつめたカカシは、ガイに詰め寄った。
「ガイ!おまえがついていながら…。出立のとき緋桜のこと頼んだよね? 
作戦が甘かったんじゃないの? 説明して貰おうか!?」
「…すまん、カカシ。緋桜は皆を庇って…。俺は近くに居てやれなかった」
「それにイルカ先生が何故ここに居るの? 俺より早く到着してるってどういうこと?」
「イルカは私と居たから一緒に来たまでだ。そうピリピリするな、カカシ。緋桜は心配ないよ」
カカシの言葉を無視して、イルカは眉を顰めて綱手に尋ねる。
「綱手様、いつ意識が戻るんでしょう?」
「そうだね、2、3日か1週間か。今夜中に目覚めるかも」
「そんな…」
「大丈夫だよ、イルカ。モニターをご覧。脳波があんなに活発になっている。夢を見てるんだよ。
それにしてもいい顔してるねえ。どんな夢見てるんだろうね」

 

 

4日経っていた。
緋桜を想う二人の男は、時間を見つけては病院に詰めていた。
同席することも度々あったが、二人の間に気不味さや遠慮などは無く、
自分こそが一番傍に居るに相応しいとばかりに、緋桜の手を握って話しかけていた。

 

 

ずっとブランコに揺られている。
お腹も空かないし眠くもならない。
ブランコ。
ブランコに乗って遊んでいた頃が一番幸せだったのかもしれない と緋桜は夢の中で思う。


誰かが名前を呼んでいる。
そろそろジャンプだよと急かされる。
ブランコの先で誰かが待ってくれている。
誰だろう?
よく知ってる人だ。
私が愛し、私を愛してくれる人。
ぼんやりと輪郭しか見えない、愛おしい人。
両手を広げて、上手にジャンプするのを見守ってくれてる。
うん、わかった。
次の次にジャンプするね。

 

「綱手様!覚醒しました!」

 

二人の男が緋桜を覗き込む。

緋桜はうっとりと微笑んで、その名前を呼ぼうと息を深く吸い込む。

焦点の定まらぬ視線を漂わすと、緋桜の唇が開いて、掠れた声が洩れた。

 

「・・・・カ・・・・・」

 

 


次の瞬間、どちらかの男が落胆する。

 

 

 

 

 

 

 

 


緋桜さまへ
日頃の感謝と愛を込めて…
1周年おめでとうございます
お祝いにお贈りするには甘さが足りませんが
少しでもお楽しみいただければ幸甚です
平成21年1月吉日
                        ねね

 

 

 

閉鎖されました[あせあせ(飛び散る汗)]お疲れさまでした

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コメント(1) 
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コメント 1

ねね



ケイさん こんにちは♪
ご来訪とコメントをありがとうございますv

里の誉れである写輪眼のカカシほどの男と付き合うと、
とんでもないリスクを負うことになるんじゃないかと私は思うのです;;
ケイさんが、カカシが言うのが理解できなくて当然です。
だって昔からズレてるから(←大蛇丸談)
そのズレって小さい頃から戦場に居るからなの、許してあげて~(苦笑)

ケイさんの「カ」はそっちの「カ」なのね?
読んでくださる人それぞれが思い描いてくだされば嬉しいですv



by ねね (2009-01-27 15:13) 

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