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梅とじうどん [SS]

イルカ先生に「梅とじうどん」の作り方を教えて貰いましょう♪
忍者アカデミーPTA文化部主催 講師はイルカ先生でございます(笑)
うへっ、ケイさん、勝手ながらお名前お借りしましたよ♪

バトンでお答えした一品です。
風邪などで食欲のないときでも大丈夫、これなら食べられますよ。

 

       ― 梅とじうどん ―

 

マダム達に囲まれてイルカ先生は緊張していた。
頭に巻いたバンダナの端が鼓動と同じリズムで揺れている。
耳まで真赤になって、大丈夫かしらと心配になる。
「イルカ先生、そろそろお時間です」
アシスタントらしく小声で促すとイルカ先生は頷いた。

「こんにちは! お忙しいところをお集まりいただいてありがとうございます。本日講師を務めさせていただきます、うみのイルカと申します。こちらはお手伝いいただくケイ先生です。短い時間ですが、よろしくお願いします」
イルカ先生と共にお辞儀する。
いつもながらよく響く良いお声だこと。

「材料の説明をします。うどん。今日は茹でたやつを使います。家で作るときは乾麺でもいいです。蕎麦でも素麺でも冷麦の残ったのでもなんでもいい。臨機応変に」
くすくす笑うマダム達にイルカ先生はにっこり笑いかけた。
「では先に作ってお見せしますので出来るだけ近くに…」
余裕が出てきたイルカ先生、なんだか頼もしく見える。

「まず、だしを取ります。水を入れた鍋に、ハガキ程の大きさのだし昆布と花かつお一掴みを入れて中火にかけます」
カチカチとガスが引火する音が聞こえた。
と同時にマダム数人が口々に不平のようなことを話し出した。
イルカ先生は表情を変えずにそのマダムの方をみつめて話した。
「鰹節はあとで、昆布は煮るなってことですよね。料亭ならそうでしょう。一番だしとか二番だしとかあるけど、家庭料理には関係ねえとオレは思います。今日はオレ流でやらせてもらいますね?いいでしょう?」
みつめられていたマダムは頬を上気させて静かに頷いた。
それを見届けたイルカ先生は短く礼を言ってやさしく微笑んだ。
マダム達から溜息のような笑みが漏れる。
なんてこと。
ほんの数分でマダム達の心を鷲摑みだ。
イルカ先生、ホストになれるんじゃないの?と思う瞬間だった。
そうこうするうちに鍋が煮立ち始めた。

「沸騰したら火を止めて、別の鍋にざるで漉します。ほ~ら、イイ匂いだ。見て下さい、色も綺麗でしょう?これに、塩と酒と味醂と淡口醤油で味をつけます。味醂と酒は多めに。それがコツです」
イルカ先生はそう言いながら調味料を加えていく。
分量の説明ナシだ。どうしよう?私も聞かされていない。
やはり数人のマダムから分量を質問された。
「んー、男の料理ってこれだから困るんですよね。覚えてねえや」
照れたような困ったようなマダムキラースマイルを、またもや繰り出すイルカ先生。
再びマダム達から立ち上る溜息のような笑み。
イルカ先生、自覚があるのかしら?だとしたら末恐ろしいわ。
「えっと、4人分くらいだと塩は小匙1杯か8分目くらいか…。どっちだろ? 酒と味醂はドボドボっと思い切り良く。淡口醤油は鍋にぐるっと半周くらい。あはは、笑わないでくださいよ。味見して自分で加減してくれれば…。困ったなあ…あ、そうだ!アレがある!便利な物が売ってますよ。忙しいときとかはアレを使ってもいい。メーカーから出てる『白だし』っていうやつ。アレならかなり関西風の味が出せると思う」
マダム達は頷き合って口々に知ってるわ家にもあるわと言っている。


「だしができたら、別の鍋でうどんを茹でます。その間に梅干の種を取って、実を包丁で軽く叩きます。紫蘇の梅じゃなくてかつお梅にしてください。潰したらラップできゅっとして今の梅干を元のように丸めて…」
イルカ先生からラップを受け取った。
「次、卵。白味が切れるまで丁寧に混ぜる事が大事です。ふんわり出来ませんから」
ちゃぷちゃぷと音を立てながら菜箸で卵を混ぜるイルカ先生が白味が切れていることを皆に見せた。

「だしを煮立ててから卵を入れます。ほら、タイミングよくうどんも茹で上がった。温めてた丼に移します。ケイ先生、火傷しないように気をつけて」
一瞬、マダム達の空気が凍えたのは気の所為だろうか?

「卵がふんわり固まったら、お玉で掬って丼へ。煮過ぎるとせっかくの卵が固くなっちまうから気をつけてください。真ん中にさっきの梅干を乗せて。葱や蒲鉾は好みでどうぞ。完成です」

マダム達から拍手が沸きあがる。
イルカ先生は本日一番の爽やかな笑顔を振りまいている。
これは最早犯罪だ と私は思う。

「ではお母様方の番です。がんばってください。火傷や怪我に気をつけて。わからない事があればオレかケイ先生に気軽に声をかけてください」
そんなこと言っても、私に質問されることなどないだろう。
せいぜい「イルカ先生って独身なの?」とかそんなところだ。

 

ああ、長い一日だった。
帰りに居酒屋へ寄って、お疲れさまと労い合って乾杯する。
「ああ、もうホント疲れましたよ。お手伝いしただけなのに、この疲れようは一体何なんでしょう?」
「あはは、大袈裟だなあ。なんだよ?明日休んじまうくらい疲れたってこと?」
「…かもしれませんね。ああ、もうぐったり」
こめかみを押さえて目を閉じてる私に、グラスを置いたイルカ先生が向き直る気配を感じた。
「休んだら…もし明日アカデミー休んだら、オレ、ケイ先生んちへ行ってなんか精のつくやつ作ってやりますよ」
「…嬉しいです。そのときはふうふうして食べさせてくださいね」
からかわれて、冗談だとわかっていても嬉しい。
冗談には冗談で返さないと。
本気にして傷つくほど幼くはない。
態とイルカ先生の方を見ないで、カウンタの端にいたマスターに声をかけた。
おじさん、揚げ出し豆腐ひとつお願いね」
「あいよ」
ほぅと溜息を付いて自分のグラスを見て知った。
イルカ先生の物凄く真剣な顔が大きめのグラスに端に映っている。
体ごと私の方に向いて、私をみつめている。
真剣なんだ、イルカ先生。
私も、本気にしていいの?

 








 

 

梅とじうどんはOL時代に時々ランチに行ったお店
大阪キタ新地の老舗蕎麦屋喜庵の梅とじそばの変形です。
勿論お店の本当のレシピは知りません。
家で真似して作ってるだけです;;
知る人ぞ知るコロペットとか、私の料理はそんなのが多いです。
すみません;ニセモンですみません;;
でも美味しかったらそれでええやんと開き直っています。

 

 


コメント(2) 
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コメント 2

ねね



ケイさん こんにちは♪

勝手にお名前をお借りしてごめんなさい!
ケイさんの逆鱗にも触れず、楽しんで頂けたようで嬉しいですvv

学校でPTA主催の色んな講習、ありませんか? ヨガとかアロマセラピーとか…
アレ、先生がイケメン青年だったら、私も含めたおかあさんたちは乙女に豹変(爆笑)
あの独特の雰囲気が当事者でありながらめっちゃオモロイんですよ!!
暫くは「あの時の先生格好良かったよねv」なんて話題に上ります(笑)
イルカ先生は受付のみならず、PTA各位の癒しでもあるんですね~♪

本日もご来訪とコメントをありがとうございました!!
私も後ほどお邪魔させていただきます♪
ではまたねvv


by ねね (2008-12-12 14:23) 

ねね


かえでさん おはようございます!

お帰りなさ~い♪ 元気になって良かったv
でも無理しないでね。
風邪って治りかけが肝心よ。
ひき添えることもあるので気をつけてね♪

梅とじうどんはやさしいお味ですよ♪
喉にも気持ち良いし是非お試しくださいませ~v

本日はご来訪とコメントをありがとうございました。
ではまたねvv


by ねね (2008-12-15 09:13) 

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