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キミはチョコレート [素敵な頂き物]

二股バトンをお受け取りくださった壬生ソラ様よりSSを頂戴しました♪

ソラさん、ありがとうございます!! ああ、感激! サンキューソラサンタ!(←結構気に入ってる:笑)

ソラさんはね~、私のドリ世界の入り口の人ですv
カカイルサイトばかり巡ってたのですが、BD祭参加の「アマイソクバク」でのめり込んでしまいました。
当時デフォルトネームの意味すら知らなかった初心な私に壱から教えてくださった恩師です(笑)

 

 

キミはチョコレート


ぴたりと揃えられた小ぶりな手が、目の前に差し出された。
真っ白な手袋をした手の平。
その上にちょこんと、小さな包みが乗せられている。


前日から降り続くこの雪のように白い手袋を眺めながら、カカシは内心で溜息を吐いた。
きっとモヘアで編まれたものだろう、見た目にも温かそうなそれを、恨めしく思ったのだ。


一歩外に出れば必ずつけている手甲を徐に外し、その様子をきっと不思議そうに見つめるであろう彼女の、冷え切った手をそっと取る。
言葉は要らない。
見上げてくる瞳に微笑みかけて、その手をオレのポケットへ。
降り止まない雪。
何か温まる物を出す手頃な店を探す振りでもしながら、一つの傘で木ノ葉茶通りを寄り添い歩けば、今でも彼女に懸想しているテンゾウへの良い牽制になるかと考えていたのに。

この可愛らしい小さな手を温めるのは、オレの役目なんですけど?

いっそ光を放ちそうなほどの純白な手袋に、年甲斐も無く心の中で言い募ってみた。
同じ色をした雪の一片が、手袋の上に舞い降りて消えた。


「・・・・・困ってる?」

どちらが困惑しているのかわからない頼りなさげな問いかけに、カカシは視線を上げた。
碧い瞳の真剣な表情とぶつかって、己の見当外れの思考を頭の外に追いやった。

差し出されたのは、カワイイ手の平でも手袋でもなく。
その上に乗せられた、小さな小さな包み。
銀と蒼の細いリボンで飾られたそれは、毎年この時期になると木ノ葉でも騒がれる・・・・・紛れも無いアレだろう。

「いいや、・・・・嬉しいよ」

思わず後頭部を掻き乱そうとする手を押し留め、カカシは包みを持ち上げた。
里中が甘い匂いに包まれるこの時期、鋭い忍の嗅覚には、それだけでもツラく感じることがある程なのに。


螺旋状にクルリと丸まった端を緩く引くと、華奢なリボンは容易に解けた。
そのはらりと解けゆく様に、恋人と呼ぶ事を許されたときの、彼女のはにかんだ笑顔が思い起こされた。
掴もうと伸ばした腕の、指の間を幾度となくすり抜けた彼女の心が、動いた瞬間。
開いた包みからは、噎せ返るほどの甘い香りが立ち込めている。
それでもあの時、彼女の心が動いた瞬間に感じた胸の疼くような甘さに勝るものには、きっと一生出会うことは無い。

包みから顔を覗かせたのは、小さな角がたくさん生えた、いわゆるトリュフだった。
そういえば愛読書にも似たシーンがあったと、カカシはオレンジ色の表紙の本を懐かしく思い出した。
タイトル通り、若い男女がイチャイチャするだけの恋物語、シリーズ初めの一冊だ。
チョコレートを前にした主人公は、果たして何と言ったか。

絵空事だと考えていた恋人達の物語を、まさか自分が地でいくなんて。
そんな自分が嫌いではないと、カカシの唇の端に、ふわと笑みが浮かんだ。
その笑みを、期待に瞳を輝かす恋人にそのまま向けて、ゆっくりと口布を引き下げてから。
彼女の手作りらしいそれを指先で摘み上げ、一気に口中に放り込んだ。

「・・・・・・・・・・・・・・・」

甘い。
想像していたよりもさらにアマイ。
普段甘味に慣れていない味蕾が、あまりの刺激にジンジンと痺れを感じている。
舌の付け根や喉の奥、リンパ線の脇辺りがギュッと締まる感覚に、これは体の緊急事態だと脳が判断し、慌てて唾液を分泌しているんだよなぁと、現実逃避のようにぼんやりと考えた。

「・・・やっぱり困らせちゃったみたいね」

目の前の顔は、ほんの少し申し分けなさそうな顔で、肩を竦めて苦く笑っている。
自分も眉尻を下げて、同じ顔をしているに違いない。

口の中の物体はじんわりと溶け出して、徐々に侵食範囲を広げてゆく。
だからといって飲み込む訳にもいかず、カカシは意を決して口の中で転がる柔らかい塊に歯を立ててみた。
途端にリキュールの強い芳香が鼻腔に抜け、さらに柔らかい中身からは、時々食感の違う小さな粒が顔を出す。
あまりの甘さに断定が難しいが、これはきっと砕いた胡桃だ。
そして信じられない事に、その甘さは、カカシの健康な歯に痛みにも似た不快な感覚をもたらした。

甘さが歯に沁みるなんて、皆よく平気でこんな物を食べられるもんだねぇ。

その言葉と共に、カカシは恋人手作りのバレンタインのチョコレートを、どうにか喉の奥に流し込んで言った。

「やはり得意だとは言いがたいけどね・・・・ま、愛情だけはたっぷりイタダキマシタ」

それでも来年からは勘弁して欲しいと訴えれば、彼女は肩を揺らして笑った。
手袋とお揃いの、真っ白な帽子
そこから覗く漆黒の髪が、肩先で遊ぶ。

「だ~め。来年もカカシに食べてもらうの」

言いながら、ロングコートの裾を翻し背中を見せた彼女は、数歩歩いて振り返ると、それでね、と悪戯な笑顔を見せた。

「カカシの愛情を試すの」


僅かに開いた距離を、カカシは慌てて追いかけた。
そうして温かい手袋に包まれた手を、無言で取った。
彼女の肩にかかる雪を避けようと、傾けた傘の下。
未だ悪戯な笑みを浮かべて見上げてくる恋人に、カカシもゆったりと右目を細めて。

来年の今日も一緒にいようと、暗に告げた約束。
それに応えてくれた、愛しいひと。
試すまでもなく、これから嫌って言うほどわからせてあげる。


チョコレートに入っている成分の一つは、脳内で麻薬と同じ働きをするという。
摂取するたびに快感物質が放出されるから、繰り返し繰り返し欲しくなるんだそうだ。
まるで、キミのよう ―――

その甘さに侵食されたオレの細胞全部が、痺れ、疼いて、キミを求めている。


「・・・・・甘すぎでしょーよ」
「どこかでお茶でも飲みましょうか」

さすがに悪いと思ったのだろう。
今度は小さな罪悪感の混ざった笑顔でそう言った恋人に、カカシは大きく首を横に振って見せた。

「それじゃあ間に合わないくらいにアマイんだよね」

だから、責任取ってよ。
言い終わるか終わらぬ内に、有無を言わせぬ強引さで引き寄せると、白い息を吐く唇を塞いだ。

降り止まぬ雪の中でも、手袋に包まれた手は温かかった。
背に置いた手の平から伝わる、コートに包まれた身体も。
それでも、ほら。
剥き出しの唇は、こんなにも冷たい。

逃げる隙を与えず性急に重ねた唇は、これ以上キミを驚かせないように、そっと触れて。
儚く解けゆく雪の結晶を愛でるように、柔らかく食む。
そうしてさっきから見え隠れする後輩の気配に、カカシが気付かないはずも無く。
愛らしい彼女の姿を、傘で隠す事も忘れない。

「・・・・・ね、アマイでしょ」

舌の上に残った甘さがすっかり移った頃、緩やかに離した唇でそう告げれば。
上気した頬を赤く染めた恋人が、いつか見たはにかんだ笑顔を浮かべていた。

その姿は、まるで。
柔らかな純白の包装紙にくるまれた、甘い甘いチョコレート。
胸に湧いた甘い疼きは、彼女のくれた、贈り物。

後日。
チョコレートに入れる種実類と言えばアーモンドが一般的だと知ったカカシが、敢えてそこに胡桃の入っていた理由を、不機嫌も露に尋ねると。

「テンゾウにもチョコレートをあげた事・・・・もしかして、妬いてくれてるの?」

嬉しい、と満面の笑顔を返され、カカシは溜息混じりに天を仰いだ。

無邪気な笑顔一つで、オレを黙らせる。
やっぱりキミは、甘い、アマイチョコレート。
・・・・・せめて、オレだけのものでいて。


END


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
妄想キーワードは
・チョコレート
・本命はカカシ
・ほんのり二股気味?でした。― ソラ様談

 

 

 

棚から牡丹餅ならぬバトンから頂きSSv
ソラさん、本当にありがとうございました!
お蔭様で私の脳内は快感物質分泌しまくりです(笑)

 

 

 

 


 


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