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オトコの純情―三代目編―(火影祭り2008参加作品②) [SS]

火影祭り2008参加作品 第二弾 三代目編です。

思春期の入り口に立つ扉間班(←この呼び方違和感あるな)の妄想駄文です。

対様のコハルがめっちゃツボです♪なんて逞しいんだ♪

二代目は班のメンバー、ヒルゼン・ホムラ・コハルが可愛くて仕様が無かったろうなあ~vv

 

                                                ※ラスト2行BL風味

 

 

歴代火影オトコの純情  ~三代目火影編~

 

 


他国から復路、扉間は森の外れの窪地まで来ると辺りを見回した。
気配を探り、くんと鼻を利かせて、空を見上げて風を読む。
日が傾き始めるまであと一刻あまり。
自分独りなら夜通し駆ければ里へ着くが、忍者見習いの子供が三人一緒だと無理は出来まい。


「よし、今夜は此処で野営するとしよう」
「はい、先生!」
扉間の言葉に三人が元気に返事をした。
「俺、食糧探してくる」
ホムラが言うが早いか丘を駆け上がり、ヒルゼンとコハルも後に続く。


「うわあ!こんなの見たことない!」
丘の上に最初に着いたホムラが感嘆の声を上げた。
反対側の南に拓けた斜面一帯にヤマユリが群生していた。
長く伸びた茎から凛とした白い花を咲かせるヤマユリが、時折吹く風に揺れている。
丘の上に並んだ戦乱の中で育つ三人は、初めて見るその風景に感動した。
常に緊張を強いられている幼い心がほっと解れるような瞬間だった。
久しく抱く事がなかったその感情に、ヒルゼンは少し怯んだ。

ホムラが勇んで丘を駆け下りるのを、ヒルゼンはぼんやりと見ていた。
ああ、俺も早く続かなきゃと思っていると、隣に居たコハルが呟いた。
「……綺麗」
コハルは潤んだ瞳でヤマユリを見つめたまま、頬をほんのり紅潮させて笑みを浮べている。
自分が恐れた感情をコハルは素直に表現した。
初めて見るコハルの少女らしい表情にヒルゼンは胸が高鳴った。
この笑顔を護ってやりたいと心から思う。
それほどコハルの横顔は美しいとヒルゼンは思った。


「百合の根は滋養があっていいんですよね?先生?」
少し遅れて丘へ登ってきた扉間に、振り返ったホムラが大声で尋ねた。
扉間が頷くと、ホムラは得意そうに眼鏡の真ん中をくいと上げた。
「あ…」
とコハルが小さく息を呑む。

コハルの視線を追うヒルゼンの頭に血が昇った。
乱暴に茎を掴んでクナイで土を掘り返すホムラに、ヒルゼンは我慢がならなかった。
「やめろ!!」
ヒルゼンが叫びながら丘を転がるようにホムラの傍まで下りた。
「何するんだ、サル!?」
肩を掴まれたホムラがヒルゼンを睨みつける。
コハルが悲しむからなどとは言えない。
言葉に詰ったヒルゼンは咄嗟にホムラの着物に付いた黄色い粉を指差した。
「か、花粉が…」

ゆったりと丘を下ってきた扉間がポンとヒルゼンの頭に手を乗せた。
「そうじゃ。百合の花粉の強い匂いで敵に居所を知られる。なあサルよ、よう気付いたのう」
ホムラはくっと唇を噛み締めた。
ヒルゼンは真っ赤になって身動ぎもしない。
扉間は俯くホムラの手からヤマユリを受け取った。
「おお、これは大きな百合根じゃ。茹でて喰おうか?今夜はご馳走じゃ」
珍しく子供のようにはしゃいだ扉間はホムラの頭にも、ポンと手を置いて撫でてやった。
「ホムラ、花粉も使いようよのう?敵を撹乱させることもできる」
ホムラはにっこり笑うと誇らし気にお土産の分もとせっせと土を掘り返した。

「愛しいものを愛しいと思うことは罪にはならん。忍とて人間じゃ。あまり固く考えすぎるな」
ホムラから離れた場所で百合根を掘り起こすヒルゼンに扉間が声を掛けた。
「……はい」
顔も上げずに黙々と作業をするヒルゼンの背中が強張っている。
サルは優しい子じゃのうと思いはしていても口には出さない扉間は、短く嘆息した。

 

コハルは丘の上から先生と仲間の様子をじっと見ていた。
きっと…とコハルは心に強く思う。
――きっとあたしは大人になってもこの光景を忘れない。


夕方、育ち盛りの三人のうち、塩茹でした百合根を一番多く食べたのはコハルだった。
おかわりをするコハルに、驚きと失望が綯い交ぜになった複雑な表情で見遣るヒルゼンに、扉間は独り苦く笑った。
そうだ、そうやって男士はを女子の脆さと逞しさを知り学ぶのだ。

満月だった。
三人が少し成長した夜は、月が綺麗な秋の夜だった。

 


「兄者、コハルは頼もしいくノ一に成りおるぞ。奴等は良い三人組に成りおる。楽しみじゃ」
帰還した夜、初代火影柱間と酒を酌み交わしながら、扉間は上機嫌でそう言った。
「ホムラほど忍者に向いた子供は見たことが無い。きっちり成果を出しおる。サルは、ちと不器用で気が優しすぎるところがあるがな。それでも先にはいい漢になるぞ」
柱間は盃を受けながら笑った。
「お前がそう見込んだのなら間違いないな」
「ああ、間違いない…」


扉間の指が柱間の長い黒髪を絡み取る。
盃が、落ちた。

 


 

 

 

 

2008.9.30献上

 

 

 

カサブランカを大量に戴いたものの
その濃厚な香りと付いたら大変な花粉に辟易して出来た妄想話

 

 

火影祭りを主催し参加させてくださった対様に改めて御礼を申し上げます                

 

 

 

 


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