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7月9日の妄想:イルカ先生はホームシックになりやすい。
くぷぷっ、大の大人の漢がコレだと可愛いと思う(笑)  の駄文です

 

  

           ーHome


イルカさんが砂隠れの里という所へ出張して、1ヶ月以上経つ。
難しい事はよく解らないけど、アカデミーを真似た忍者学校を作るらしい。
その手伝いに行ってるそうだ。
『先生の先生ってのは、怒鳴れない分、余計に大変だ』
鳥が運んできてくれる手紙にそう書いてあった。
イルカさんたら、普段からアカデミーでどれだけ怒鳴ってるのかしらと思う。
優しい人だと思ってるのに、怒ると凄く怖い人なのかも知れない。
里に戻るときには、お土産を買って帰って来てくれるって書いてあった。
砂肝だったら、少し嫌だなあ。

 

今日も私は仕事帰りに一楽へ寄る。
いつもイルカさんが座る椅子に座って、親爺さんと挨拶を交わす。
「イルカ先生はまだ帰んねえのかい?寂しいねえ。
ほらよ、チャーシューおまけだ」
親爺さんが器の中におまけのチャーシューを乗せてくれた。
私は礼を言って、小鉢に少し取り分けて、合掌する。

イルカさんが無事でいますように。
健康でよく眠れて元気で過ごせていますように。
ラーメンと同じくらい美味しいものを食べていますように。


いただきますと言って、スープを飲む。
コクがあるのにあっさりしていて、ああ、なんて美味しいの……
出張中のイルカさんは、どれほどラーメンが食べたいだろう?
砂隠れの里にもラーメン屋さんがあるといいんだけど。
「ねえ親爺さんは、一楽の支店出す気とかチェーン店にする気とか、ないの?」
親爺さんは、笑って首を横に振るだけだった。
通販っていう手もありますよ」
私は半ば本気でそう訊いた。
「馬鹿言っちゃいけねえよ。一楽ラーメンは木の葉にあるからこそ旨いのさ」
それもそうねえ と思い直して麺をすする。
ああ、美味しい。
イルカさん、ごめんね、私だけ美味しい思いして。

 

お勘定を済ませて、暖簾をくぐって外に出る。
空を見上げれば、満天の星空と半月
空いっぱいの星なんて、オフィス街では絶対に見れないもの。
うっとりと眺めていると、遠くの建物の屋根を見覚えのあるシルエットが跳ねる。
うわー、格好いい! 忍者っぽい!
自分の彼氏が忍者だってことを改めて実感した。

 


イルカさんが嬉しそうにラーメンを食べるのを、横に座って見守った。
「クーッ! 旨めえ! 五臓六腑に沁み渡るぜ」
「イルカさん、それお酒だから。ラーメンが沁みてどうするのよ?」
「沁みるんだから、仕様がねえじゃないか。ああ、オレはこの瞬間をどれほど夢見たことか」
「夢に見たの?ラーメンを?私じゃなくて?」

私達の漫才のようなやりとりに、親爺さんが笑いながら口を挟んだ。
「陰膳なんてさ、今時珍しい事してたぜ」
親爺さんがイルカさんをからかうようにそう言うと、イルカさんは驚いた顔で私を見た。
なによ、その顔? 
そんな事、絶対にしなさそうなタイプなのに って疑るような顔して。
もう! 親爺さんたら余計な事言わなくていいのに と思って二人を交互に睨んでやった。
イルカさんは、そのあとすぐに真っ赤になって、鼻疵をぽりっと掻きながら、
小さな声で 「そ、そっか。ありがとな」と 言った。


「親爺さんにね、里の外でもここのラーメンが食べれるようにしたら?って言って
みたんだけど、ダメだって。木の葉にあるからこその一楽ラーメンだって」
イルカさんはもぐもぐ咀嚼しながら、コクコク頷いた。
「そうだな。だってオレ、里外任務から帰って来てラーメン喰ったら、本当に帰って来たんだって
実感するもんな。ホームで喰うのが一番だろ。アウェーで喰ってもこれほど旨かねえと思うよ。
やっぱこの里で喰う一楽のラーメンが最高! オレのソウル・フードってやつだな」
ニカッと笑って、笑窪と白い歯を見せる。
イルカさんて可愛い人だ。
使い慣れないカタカナの言葉は借り物みたいにそこだけ浮いてて妙だけど、
きっと砂の里で覚えたところで使いたかったんだと思うと、余計に可愛く思えた。

 


送ってくれるって言うけれど、丁寧に断って家路につく。
イルカさんが無事に帰って来てくれて嬉しい。
帰って暫くは忙しくて会えないだろうけど、それでもいいわ。
自分の家で、陰膳するから。
ソウル・フードって言った時のイルカさんの顔が、思い出し笑いを誘う。

 

お土産に貰った、銘菓『砂最中』とらっきょと落花生が少し重かった。

 

 

               

                 このヒロインさんはどこに住んでてオフィスがどこにあるのか
                 とか、おいといてください(笑)

                 陰膳はね、ダーリンが仕事で遅くなるときにします。
                 三度あった半年間の長期出張の時は毎日していました。
                 今時…だけど、母がしてたからね。
                 母は、祖母がしてたからしてたんだけど(笑)
                 祖母はお茶碗のご飯をおひつに戻すときについている
                 筈の水滴がないと「戦地(満州)のお父さん、
                 喉渇かしてはるわ」と心配していたそうです。
                 今は無き日本の風習…言霊が生きていた頃の話です。
                 娘にも陰膳の心を持って嫁いで欲しいと思います。

 

 


 


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