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嫉妬 [SS]

本日の妄想:昨日の イルカ先生のヤキモチ妄想駄文 イルカ視点で
昨日のライドウ特上とのデートをお読みでないと意味不明かも(笑) 無駄に長いです

     ー嫉妬ー

食堂で定食を食ってると、隣に座った奴が横腹を突く。
「おい、あれ」
何の事かと見ると並足特上と彼女が一緒にメシ食ってる。
特上達がいつも陣取るテーブルで。
彼女はアカデミー勤務だから、いつもはここで食うのに。
目が合うと彼女は嬉しそうに手を振った。
並足特上が振り返ってこちらを見るので慌てて会釈する。
「イルカ、お前いいのかよ?」
「いいって、何が?」
「先々週の飲み会で彼女から誘ったそうだぜ。だいぶ酔ってたらしいけど」
隣の奴は気の毒そうに眉を下げてオレを見ている。
「ンなこと関係ねえよ」
腹の上部に違和感を感じながら、オレはそう言って沢庵を口に放り込んだ。

夕刻を過ぎても眩しい西陽が差し込むアカデミーの職員室。
残ってテストの採点をしていても、腹の上部が気持ち悪い。
嫌なゲップばかり出る。
昼飯、悪いもん食ったかな?
光を反射して見難くかった答案用紙の色がさっと変わる。
「眩しいでしょ」
聞き慣れた声の方を見遣ると彼女が、ブラインドを下げていた。
「お、おう、ありがとうな」
振り向いた彼女が浮かべる微笑に、再び腹具合が悪くなる。
「イルカ先生、先々週の木曜日の夜、一楽にいらっしゃったの?」
「ああ。くのいちクラスの紫陽花先生と一緒に。なんで?」
「……別に。あ、私、施錠当番だから行ってきまーす」
「ご苦労さん」
弾むような足取りで部屋を出ていく彼女を見送る。
なんなんだ? この腹の上部の痛みは?

彼女と入れ替わりで、此処に来るのは珍しい人物が現れた。
室内を一瞥すると、真っ直ぐオレの方へ歩いてくるので、立ち上がって出迎える。
「イルカ」
「はい、何でしょう?」
並足特上はオレの机の向いの机をこつこつ叩く。
「彼女、どこ行った?」
「あ、今、出たとこです。施錠当番で」
「そうか」
並足特上はそう言うと、彼女の机の上の小物を自分の物のように弄ぶ。
なんかムカつく。
「呼んで来ましょうか?」
「いや、いい。 伝言頼んでもいいか? 今夜の約束ダメんなったから又電話するって」
「はい、必ず伝えます」
並足特上はヨロシクと言って、部屋を出て行った。
腹の上部で痛みとは違う、どす黒い何かが増殖するのを感じた。

答案用紙を見つめたまま時間が過ぎていく。
オレ、なにやってんだろう? 今までなにやってたんだろう?
大事にしているつもりだった。 オレなりに。
元々人懐こいヤツだけど、オレには特別じゃれつく事が多かったから、慢心していたのかもしれない。
何度二人でにメシに行ったろう? 何度杯を交わしただろう?
休みの日にまで一緒に出かけて、何度笑い合ったことだろう?
その関係が、同僚として一緒に居て楽しい なんてもんじゃなかったのは自覚していた。
それでも一歩踏み出さなかった事が悔やまれる。
彼女はオレの本当の気持ちを知らないまま、特上に告白した。
酔ってたって? 酔ってるときほど本音が出たりするもんだ。
それにしても、よりにもよって並足特上とは。
オレの苦手なタイプだ。
大きく溜息をついて、目頭を押さえた。

 

「えー。 あ、すみませんでした。伝言ありがとうございます」
彼女は控えめなブーイングの後、礼を言って頭を下げた。
腹具合が変だ。
オレは帰り仕度を始めた。
「私も帰ろうっと。 イルカ先生、一緒に帰りましょう」
何言ってやがると思ったけど、あの笑顔を見ると頷いてしまった。

並んで歩く。
彼女はずっと喋ってるけど、内容がいまいち頭に入ってこない。
「イルカ先生ったら、ねえ! もう着きましたよ、一楽。 奢ってくれるって言ったでしょ?」
オレ、そんな返事したっけかなあと思いながら暖簾をくぐった。
いつもは旨いラーメンなのに、ゴムを噛んでる気分だった。
並足特上が、彼女の机を叩く動作や彼女の小物を触る手つきがフラッシュバックする。
あの手で彼女のさわるのか? あんな風に愛しげにふれるのか? そのとき彼女はどんな表情で?
「大丈夫ですか? 顔色悪いですよ」
俯くオレの顔に彼女が近づく。
独特の柔らかなチャクラに、心がほどける。
オレはこんなに彼女が好きなんだ。
誰にも渡したくないほど。

「具合が悪そうだから、今日は私が送ってあげる」
おどけてそう言う彼女と並んで家路につく。
「ちょっと寄ってかないか?コーヒーでも…」
誘った途端に後悔した。
彼女はもう今までとは違うんだと改めて思い知らされる。
「美味しいのをお願いしますよ。あとお茶菓子もね」
どこまでも明るく振舞う彼女が、余計に遠くに思える。

火影様から頂いた異国のチョコレートとオレが淹れたコーヒーに彼女が瞳を輝かせる。
「こんなに美味しいチョコレート食べたの初めてです。顎が落ちるってきっとこのことだわ」
チョコで膨らんだ彼女のほっぺを見て、心底 愛しいと思った。
愛しいと思うからこそ 幸せになって欲しいと願う。
「並足特上のどこに惚れたんだ?」
オレの問いかけに彼女の顔色が変わった。
「・・・・・・・・・」
「お前から告白したって聞いたぞ」
オレの中の意地悪蟲が騒ぐ。
「……真面目なところと顔の疵」
蚊の鳴くような声で彼女が答えた。
その顔から表情が消えている。
なんだよ、その顔? 恋する乙女だろ? もっと幸せそうにしなきゃウソだろ?
腹の上部がまた痛む。
さっき食ったばかりのラーメンが逆流しそうだ。
嗚咽を抑えていると、オレの顔をじっと見つめる彼女の瞳に涙が浮かんだ。
「そ、そんな、私を責めるような怖い顔しないでください」
いや、オレ、吐きそうなのを我慢してるだけなんだけど。
「だって、イルカ先生は……」
「オレが何?」
「イルカ先生は紫陽花先生がお好きなんでしょう? それで、私、だから、諦めようと……」
は??
「ちょっと、ちょっと待て! なんでオレが紫陽花先生のこと好きなんだよ?」
「一楽の親父さんが言ってたの。紫陽花先生にはいつも味噌とんこつチャーシュー大盛りを奢るって。イルカ先生、私には一楽ラーメンばっかり。特別メニューなんて、奢ってくれたことないじゃないですか」
「だからって、なんでそうなるんだよ?」
確かにそうだった。
紫陽花先生は大名の遠縁の人だから、贅沢に慣れている。
リーズナブルな一楽ラーメンじゃ、アレだろうと思って奮発したんだった。
「私じゃ、イルカ先生の特別になれないのが解ったから。 だから似た人を好きになろうって思ったの」
「そ、それは違うだろ!それは間違ってるぞ!第一、紫陽花先生は特別だけど違う特別だから
気ィ遣っただけだからな。 大体お前の気持ちはどこにあんだよ?
並足特上が好きなんじゃないのか?」
「だから、さっきから言ってるじゃないですか。 私、イルカ先生に失恋したから、ライドウさんにアタックしたんですってば。 酔った勢いもあったけど。 だって、イルカ先生はいつも私の事、気にかけてくれてと思って、もしかしたら、口には出さないけど、相思相愛だったらいいなあ なんて夢見てたのに、紫陽花先生と……。大体、イルカ先生って誰にでも優しいのが悪いんです」
オレは呆れて溜息をついて、続いて大きなゲップをした。
お蔭で腹の違和感が少しマシになった。
「お前なあ……」
彼女の頭を両手で包んでぶんぶん振ってやる。
「なんで、ラーメン一杯でそうなるんだよ? バカか?」
「痛ったいっ! 何するんですか?」
わしゃわしゃとシャンプーするみたいに髪を掻き揚げ撫で付ける。
「バカだな。 ほんとにバカだな。 どうすんだよ? 並足特上がお前に本気になったらどうする気だっんだよ? なんも考えてねえだろ?」
「あっ」
「なにが あっ だよ?」
「…キス」
「ええっ?! なんだ、お前もうキスしたのか? お前ってそんなんだったのか?」
今度は腹が立って腹が立って仕方がない。
「そんなんって、何ですかその酷い言われようは? 人を尻軽みたいに」
彼女が真剣な表情でオレを睨みつける。
「……どうすんだよ? 並足特上のこと」
オレは、マジで心配になってきた。
真面目な人だと思うから、きっと彼女の明るさに惚れ込んじまうだろう。
「どうしようかしら? ライドウさんのキス、とっても上手で素敵だったのに」
そう言って微笑む彼女が悪魔のように見えた。
「なーんてね、ウソ! ちゃんと話すから安心してください」
また、腹が重くなった。





                                   ライドウ特上はきっとイイヒトです(笑)







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