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練る [SS]

本日の妄想:イルカ先生は自分では気付かないうちに何にでも愛情を込めている。
何に対しても一生懸命なお人柄ですからね♪

 

      -練るー

イルカさんが休みだというから、溜まっていた有給休暇を取ることにした。
朝からたっぷりと一緒に時間を過ごす。
特別に何かをするわけでなく、散歩したり、一楽でラーメンを食べたり、買い物をしたり…
でも、こんな日が一番贅沢なのかも と思う。
三時頃、夕食の食材を買ってイルカさんの家へ辿り着いた。

夕飯の支度をするにはまだ時間が早かったけど、早く終わらせて後でゆっくりすることにした。
煮物は私が、焼き物はイルカさんが、それぞれ奮闘する。
冗談を言いながらの作業はとても楽しくて、休暇を取って良かったなと思う。
それに、こうやってるとイルカさんが忍者だってことも忘れてしまいそう。
任務っていうものに就いてる時以外は一般人と変わらない生活なのかも、なんて親近感が沸いちゃう。
「あ、この菜っ葉、どうする?」
イルカさんが人参から切り落とした部分に付いている、ふさふさした立派な葉を持って尋ねた。
「うーん、勿体無いわよね?胡麻和えでも作る?」
イルカさんは微笑んでジャブジャブと人参の葉を洗う。
私は、胡麻を炒ってすり鉢に入れた。
「はい、イルカさん、胡麻擂ってね」
ゴマを擂る―諺で云われるそれはイルカさんには一番不似合いだと思うと自然と笑みが零れる。
イルカさんはごりごりとリズミカルに胡麻を擂る。
いや~ん、こんな人が旦那様だったら奥さんはきっと幸せだわ
なんて思いながら真剣な顔で胡麻をするイルカさんを見つめた。
「もう、お風呂も沸かしちゃおうか?」
「そうだな」
私は煮物の火を弱めてお風呂を洗いに行った。

お風呂の掃除が終わって、洗濯物を取り込んで、ついでに玄関回りを掃除して、
夕刊を持って家に入る。
ごりごり…
まだ擂ってるの?
キッチンを覗いたら、イルカさんがまだ胡麻を擂っていた。
「あー!イルカさん、擂り過ぎよー、ペースト状になってるじゃん」
「…あ、いや、だって、お前なかなか戻って来ないし…」
イルカさんは少し焦ってるようで、その様子がとても可愛らしかった。
「また炒ってくれるか?もう一回擂るから」
「いいよ。これはこれで美味しいよ、きっとね」
調味料で味を調えて、指先にペーストを絡ませて舐めてみた。
いつもより濃厚な味は、イルカさんが愛情をたっぷり込めてくれたからかも知れない。
もう一度指先にペーストをつけて不安そうなイルカさんの口へ運ぶ。
「ほら、ね?」
尋ねると、ちゅっと音をさせて私の指を放したイルカさんが、満足そうににっこり笑った。

 

 

                         ウチのダーリンは家事を殆どしません。操縦失敗です(悔)








 


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