So-net無料ブログ作成
検索選択

母の日 [SS]

本日の妄想:母の日のイルカさんはカーネンションを1本慰霊碑に手向ける。
五月の空に似合わしい晴れ晴れとした顔で、自分を生んでくれた母に感謝していると思います。

 

 

 

          ー母の日ー

 

「いいのよ、無理しなくても」
慣れないネクタイを何度も結び直しているイルカさんが気の毒になってきて
思わずそう言った。
「ん、でも、折角だから、な? レストランの予約、何時だった?」
鏡の中の自分の手元から目を離さずにイルカさんが尋ねる。
「まだ1時間以上あるから大丈夫よ。ねえ、結んであげる、こっち向いて」
イルカさんの喉仏すぐ下のワイシャツの襟、その真ん中に逆三角形を作る。
「ホントに会うの?」
念を押すようにもう一度聞いてみる。
「ああ」
イルカさんが当たり前だといわんばかりの顔でこちらを見遣る。
「…やだなあ」
「なんで? お付き合いさせて貰ってますって挨拶して、メシ喰うだけじゃないか」
「うん…」
彼氏が出来たって事は知ってる筈だけど、それが忍者だってわかったらママはきっと吃驚するわ。
それより嫌なのは、私とママが瓜二つだってこと。
イルカさんは未来の私の姿を見ることになる。
「ねえ、ママと私ね、そっくりなの。笑っちゃうくらい似てるのよ」
「へえ、可愛いんだな」
イルカさんはあんまりスキだって言ってくれない癖に、時々こんな事をさらっと言うから戸惑ってしまう。
「…ああ、やだなあ」
何度も嫌だと言う私に厭きれてイルカさんが溜息をついた。
「離れて暮らす母娘が水入らずで会いたいんなら、そう言えよ。邪魔はしないからさ」
「違う。そうじゃないの」
私はイルカさんを見上げる。
「来月、六月は父の日があるのよ。パパもきっとイルカさんに会いたがるわ。それでもいい?」
イルカさんが瞬きをした。
「パパはすっごく厳しいから、それが嫌で私は独り暮らしを始めたくらいなんだから」
「お、おう、受けて立つぞ!」
…ああ、なんで? 
何をやる気になってるんだろう? この愛しいひとは…?

 

 

                          親の前でも怯まない男子の愛は本物だと思います(笑)


 

 

 



nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:blog

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。

×

この広告は1年以上新しい記事の更新がないブログに表示されております。