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くぎ煮 [SS]

本日の妄想:イルカさんは佃煮が好き。
冷蔵庫にご飯の友・肝臓の助っ人として蜆の佃煮とか常備してそうです。


 

 

          ーくぎ煮ー

年に一度の事だから、何もかも放っぽってでも頑張るの。
腱鞘炎になりそうなくらい大量に生姜を刻んで、髪にも服にも甘辛い匂いが移って、
煮詰まってきたらお鍋を振るは女の細腕には大変だけど。
ただ喜んでもらいたいから。
「-----だろ?」
「ごめーん聞こえない後にして!」
リビングにいるイルカさんが何か言ってるみたいだけど、今は必死すぎて聞こえない。
ホントにごめんね。
折角二人のお休みが重なった日だけど、今は手も目も離せないの。
「昼飯まだなんだろ?って聞いたんだけど」
キッチンにイルカさんが入ってきた。
手元が狂う。
ぎゃっっ!!  熱っ!!
額に煮汁が飛んできて火傷を負う。
・・・・格好悪い。恥ずかしい。情けない。

充分に冷やしてアロエで湿布した後、イルカさんが軟膏を塗ってくれる。
ひりひりひりひり・・・・
「あっ・・・」
イルカさんが小さく叫んだ。
「・・・すまん、薬塗ろうとしたら水泡が破けた」
真剣な顔で慌てて綿花で消毒してくれてる。
「えーっ?! どうしてくれるのよ? 大体、後にしてて言ったのにイルカさんが入ってくるから気が散って火傷したんじゃないのよぉ」
イルカさんは悪くない。
八つ当たりなのは解ってるけど、素直じゃないのは解ってるけど。
「もー・・・・痕が残ったらどうすんのよぅ・・・・」
格好悪くて、脹れっ面をしたまま憎まれ口をきいてしまう。
恥ずかしくて目も合わせられない。
と、イルカさんの息遣いをすぐ傍に感じたと思ったら、急にがばっと抱きしめられた。
「そ、その時・・その時はオレが嫁に貰うからっ!!」
え?ええーっ?!   い、 いいけど・・・・・
イルカさんの心臓と私の心臓の音が重なって、眩暈がしそう。

 






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