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アイロン [SS]

本日の妄想:イルカさんはアイロンがけが得意。きちっとしたひとですからね。

     -アイロンー

「・・あ、あの・・すみません・・・これ、ありがとうございました」
後ろから声をかけられて振り向いたらイルカさんが緊張した顔で両手を差し出している。
手にしているのは私のハンカチ。
「・・・・・あ、あの時の」
少しでもイルカさんのお役に立てたかな、と思った日のことを思い出す。
「はい、ちゃんと洗濯しましたから」
イルカさんは律儀にそう言うと私の手にハンカチを持たせて微笑んでくれた。

それは中忍仲間が集う飲み会での出来事。
お酒が過ぎた新人の中忍達が騒ぎ出し一般人と揉め始めた。
誰より先に止めに入ったのがイルカさんだった。
そして、一般人からのパンチを喰らったのもイルカさんだった。
最初の1発が鼻っ柱を直撃し血が噴き出した。
簡単に避ける事ができる一般人の暴力を甘んじて受け入れたイルカさんは、その後落ち着いてくださいと相手を説得しながら繰り出されるパンチを避け続けた。
一連の騒動が終わった時、私が思わずその鼻に押し当てたのがこのハンカチだった。
「それで、あの、お礼というか・・・」
イルカさんは急に恥ずかしそうに鼻疵を掻く。
「もしよければ、今夜、晩飯一緒に」
「はい、喜んで!」
嬉しくなって居酒屋の店員のような勢いで返事をした事に赤面する。
「良かった。じゃ、7時に門のところで」
イルカさんはそう言うと、職員室へ戻って行った。
どきどきして手渡されたハンカチを見下ろす。
きちんと畳まれたハンカチは皺ひとつ無く綺麗にアイロンがかけられていた。
ああ、やっぱりそういう人なんだ、と思うと心の中が暖かくなった。

 

 


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